7/2 陇西2日目 (休息日) ―悪いことは重なるもの―

考えてみれば中国に来て1ヶ月たつ。その間の走行距離と費用。

走行距離:2446km
費用:約64,000円

走行ペースは悪くない。予定より早い。といってもその予定もかなりザックリとしたものだったが。
今後、新疆ウイグル自治区の治安や、夏の暑さがどう影響してくるか。

資金に関しては、少し使いすぎか? 平均値で言えば消費は予定より少なく済んでいるが、後々のヨーロッパ走行を考えると、物価の安い中国ではもう少し抑えておきたい気もする。
宿で贅沢しすぎかなぁ。

 

そんな計算をしていると部屋のドアをノックされた。宿の女将さんがやってきてなにやら言っている。筆談で話すと、どうやら公安に行かなければいけないらしい。うわぁ、またしてもこの展開……。「全員、登記する必要がある」みたいな事を書かれる。昨日のチェックインの時点ではパスポートもろくに見なかったから、内緒で泊めてくれるのかと思ったのに。断るわけにもいかず、女将さんと一緒にバスで公安の派出所へ。因みにバスの運賃は1元で、女将さんが払ってくれた。市街地の路線バスは1元均一なのかな。

派出所について女将さんと制服を着たおじさんが話す。しかし、どうもこの前みたいな雰囲気ではない。比較的和やか。よくわからないままパトカーに乗って(またパトカーか……)別の派出所へ移動。そこでどうやら外国人の滞在手続きみたいなことをしたらしい。俺は結局何もせず、そのやり取りを見ているだけだった。

どういう規則でこの前と今回とで対応の違いがあるのかはわからないけれど、30分ほどでどうにか開放され、パトカーで宿まで送ってもらう。良かった、面倒なことにはならずに済んだ。女将さんも心なしかホッとしているように見える。

 

しかし、悪いことは続く。

 

宿に戻ってから少しブログの記事を書き、そのあと昼食を食べに自転車で外出。食後に銀行を探して走っていると、交差点でバイクに突っ込まれてしまった。

こちらは交差点を青信号で直進しているところ、対向車のバイクが左折(中国は右側通行ということで考えてください)してきた。こちらはそのバイクに気づいていなくて、何かを叫ばれて振り向いたらバイクが迫ってきていた。余所見をしていたのか、無理やり俺の前を行こうとしていたのかわからないけれど、そのバイクはぶつかる寸前にブレーキをかけて、おそらく“握りゴケ”状態で転倒、そのまま滑ってきて俺の自転車に横からスライディングをかけたような感じでぶつかった。足元をすくわれたような状態でバイクの上に乗っかってしまう。

まったく、何なんだいったい。

幸いにもお互い怪我は無い。バイクに乗っていたのは多分俺より若いとっぽい感じの男性。バイクは少し壊れているようだが、ハッキリ言って向こうが悪いと思っているのでそんなものは知ったことではない。こちらはリアのホイールが少し振れてしまっている。振れ取りをすればどうにかなると思うが……。

向こうは何か言っているが、もちろん何を言っているかはわからない。バイクの壊れたところを指さしているから多分「どうしてくれるんだ」みたいなことを言っているのだと思う。ここは舐められたらアカンと思い、こっちは悪くないという態度を出した上で、英語で「中国語はわからない」「怪我は無いか?」と言う。言葉が通じないとわかると、向こうも微妙なテンションになってきた。

ここまできても特に警察を呼ぶような気配は無い。というか交差点に公安の車が止まっていて一部始終を見ているはずなのにこっちに来やしない。こちらも本来なら公安に連絡して、もしどこか壊れていたときのために保険の請求に必要な書類を貰うべきなのかも知れない。でももう何もかもが面倒になってしまった。ホントに何なんだいったい。中国人ドライバーの運転を見ていると、そりゃいずれ事故も起こすよ、と思うが、こちらがいくら気をつけていても巻き込まれてしまうんだからやってられない。

いや、今回はこちらも警戒が足りなかった。叫ばれるまでバイクの存在には気づいていなかった。ここでは青信号でも決して安全ではないのだ。右折車に気をつけ、左折車に気をつけ、信号無視に気をつける。でないと、青信号でも簡単に轢かれてしまう。

近くで見ていたおじさんが間に入ってくれる。「自転車は大丈夫か?」と聞かれホイールの振れを示すと、「大丈夫大丈夫!」というジェスチャー。相手の若い男性に対しても「お前が下手だからこけたんだろ」みたいな感じで(あくまで想像です)冗談交じりで明るくなだめているようだ。そのまま「さ、解散解散!」となったので立ち去ることにする。お互い怪我はないし、自転車も多分大丈夫であろう。もう面倒ごとはこりごりだ。

 
しかし、宿に戻ってホイールの振れ取りをするも、完全には直らない。リムが曲がってしまったようだ。さっきは気づかなかったけれどフロントキャリアも少し曲がっている。キャリアは曲げ戻せばどうにかなるし、リムも今のところ走行に支障は無いけれど、重い荷物を積んでこの後も何千kmも走るとなると若干の不安が残る。やっぱりちゃんと警察呼んだほうが良かっただろうか……。

もう何もやる気がしないまま部屋に戻り、不貞寝。せっかく綺麗な風景の中を走って楽しんでいたのに、水を差された。こんなくだらない事故で中国が嫌いになってしまいそうである。

しかし、昼寝から覚めるといくらか気分もマシに。宿の隣の店のおっちゃんがフレンドリーに接してくれたりして、少しずつ気がまぎれていく。
もう起こってしまったことは仕方ない。実際問題いまさらどうにもできないし、この後何か問題が起こったら、それはその時に考えよう。

会社を辞めるときに先輩から餞別でもらったウォッカを少し持ってきていたので、それを一口飲んで寝る。こんなときは寝てしまうのが一番だ。

カテゴリー: 中国(China) パーマリンク

7/2 陇西2日目 (休息日) ―悪いことは重なるもの― への0件のフィードバック

  1. ノベルティ屋 のコメント:

    お、おそろしい。。。
    事故には気をつけてくだされ
    っていっても、気を付けてても危ないのが中国なのかな
    しかし、こわいですな

    • shima のコメント:

      実際他の国だとどうなんですかね。
      ヨーロッパだとイタリアなんかも運転が荒いって聞きますけど。

      もう自分でできる限りの注意をするしかないですね。

  2. 匿名 のコメント:

    貴方に怪我が無くて良かった。
    ドイツでも、歩道の信号が青でも左右みて渡るのが基本ですな。実際、青信号で渡っていて車に突っ込まれて大けがした人知ってるよ。気をつけてね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です