7/17 瓜州→敦煌 (119km)

快適な宿だとついダラダラしてしまうけれど、いや今日も油断できない道だ。さっさと準備しないと。
朝食は牛肉麺。もうこの辣油がないと物足りなく感じる身体になってしまった……。

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まだ少しお腹がすいていたので帰りに油条を買って食べる。朝からモリモリ食べないと午前中の力が出ない。それにこれからのルートは補給できるポイントが少なくなるから食べられるうちに食べとかないと。
さっさと準備してなんとか9時に出発。

走り出すと東風。昨日とは逆だ。どうも風向きはころころと変わるらしい。
ていうか東風って向かい風じゃないか……。街を出るまでは南下するので問題ないが、不安だ。

大きめのモスクがあった
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町外れには瓜を売る(決してシャレを言おうとしてるのではない)露店が並ぶ。
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街を囲む農地を抜けて道の方向が変わると、案の定強い向かい風。土ぼこりが舞い上げられて遠くが霞んでいる。唯一の救いはこの埃のせいで日差しが弱まることか。

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南側は低い山地。

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それにしてもこの向かい風は辛い。昨日の半分くらいの速度しか出ない。敦厚までは100km以上ある。この向かい風が続くと、ひょっとしたら途中で野宿することになるかもしれない。
この風の中テントを張るのは大変だな。それに水が心配だ。敦煌までほとんど補給地点が無いと聞いていたので多めに積んではいるが、野宿となると少し心もとない。

しばらく走ると料金所があり、その前後にやはり瓜の露店があった。そこで水分代わりになにか果物を買おう。フットボール型の黄色いスイカのようなやつ。

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これは蜜瓜? メロンってこと? ハミウリとは別物なんだろうか。
露天のおばちゃんが「ここで食べてけば?」と椅子を指し示すが、少し時間が早いので出発。

 
料金所は今までも何度もあって、自転車はスルー。さらに進むと出発から30kmほど走った地点に商店とガソリンスタンドがあった。商店は掘っ建て小屋のような感じだったので通り過ぎてガソリンスタンドのほうに行くが、こちらは何も売っていなかった。しまった。

まあ果物も手に入れたしと思って進むと、また露店がある。気が変わって、ここでも同じものを買って食べることに。一個10元(量り売り)。
切ってもらうとやはりメロンのようだが、食感はシャキシャキしてて、甘さも控えめ。昨日買ったやつよりかはメロンに近い感じだった。

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丸々一個なので食べるのにそれなりに時間がかかる。食べていると、この果物を乾燥させたものを試食させてくれた。こちらは甘さが凝縮されている。干し芋の様な感じで少しネチッとしている。
「他の店は10元だけど、うちは8元だよ!」と売り込んでくるが断った。美味しいし保存もききそうだから買ってもよかったんだけど……、やっぱり買えばよかった。

干し瓜
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途中やってきたほかのお客さんと少し話したりしつつ完食。

 
なんだかんだやってたらもう昼だ。
土ぼこりだけでなく今日はうす曇で日差しが弱い。これには助かった。

道を広くするのか、高速道路を造るのか、瓜州からずっと道の南側を工事している。
そして荒野、荒野、荒野……。

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休憩しているとリアカーを付けたマウンテンバイクに乗る自転車旅行者に追い抜かれた。珍しい。声だけかけて挨拶。
そのまま休憩していると、同じく休憩中の工事現場のおっちゃんが道路の下のほうから声をかけてくれて、水を頂いた。これは嬉しかったな。そして非常にありがたい。

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見晴らしが良いので、遠くにさっきのリアカーのMTBを見ながら走行。

風力発電機のブレードを運ぶトラックの風圧によろめいたりしつつ。

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渦を巻く風を見たりしつつ。

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数キロおきに国道を横切る陸橋が建設中で、その日陰で休憩。さっきのMTBも休憩中だった。40代くらいの男性で、話してみるとこれからウイグル自治区まで行くということだった。
乗ってるMTBはGIANTの高級そうなモデル。おそらくカーボンフレームで、キャリアがつけられないからリアカーを使っているのかな。
しばし休憩してたら眠くなってうとうとし始めたが、おじさんが立ち上がって一緒に行こうというジェスチャー。
少し眠りたかったけれど、まあ良いか。ペースも近そうだし。

走り出すと時々強い風が吹くものの、午前中よりは弱まっている。
最初はおじさんが先行。そのあと風除けの意味で先頭交代したんだけれど、どうもペースにムラがある人のようで気づいたら後ろに離れてしまっていた。
風も弱まってきたので、それからはおじさんにずっと前を走ってもらう。

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休憩を取りつつ進むが、おじさんが持っている水分は水筒とペットボトルの2本だけ。せいぜい1リットルだ。水筒の方はお湯が入ってるみたい。「開水」といって、中国の人は良くお湯を飲む。ミネラルウォーターは無くても、水道水を沸かした開水はどこに行ってもたいていは置いてある。
そんな量で大丈夫なの、と思っていると案の定水がなくなってきた。お湯のほうは途中の工事現場のテントで分けてもらって補充できたけど(そんな手段もありなのか)、やはりそれなりに暑いのでお湯だけだと厳しい。
こちらは水に余裕があったので(このままなら野宿せずに敦煌にたどり着けそうだし)、さっき工事現場で貰った水を差し出すが受け取ってくれない。「大丈夫大丈夫」みたいに言っているけれど、いやいや大丈夫じゃないでしょ。次第に心配になる。

しかし、ペースは落ちたものの夕方には何とか敦煌に近づいてきた。言葉がわからないので応援することもできない。そしてこちらもかなり疲れてきた。
ペースが遅いから足の負担はそれほどでもないけど、走行時間が長引く分、暑さの苦しみも続く。

敦煌が近づいて明らかに砂が増えてきた
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結局70km以上、無補給区間が続いた。敦煌郊外になってから二人とも商店を探す。こういうことは言葉が通じなくても大体わかる。

商店で冷たい飲み物で休憩し、二人とも復活。再び走り出して、あることに気づく。まわりに木が増えてきて、風が冷たく感じるのだ。やはり日差しで熱せられた荒野を渡ってきた風と、木々の間を通ってきた風では全然違う。森は偉大だ。

市街地に向かう道とその先へ向かう道の分岐点でおじさんと別れる。どうやら敦煌はスルーするみたいだ。握手してお別れ。
短いペアランだったけど、ありがとうございました。これからはもっと水を運んでくださいね。

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少し走ったら敦煌の市街地。有名な観光地だからか道も綺麗だし、クラクションもあまり聞こえない。観光客の目を意識してクラクションを無闇に鳴らさないように指導してるのかも。(中国のドライバーは本当によくクラクションを鳴らす)

さて、宿探し。一部では有名なガイドブック、旅行人ノート社の「シルクロード 中央ユーラシアの国々 改訂版」によると、飛天賓館というところがバックパッカーに人気の宿らしい。このガイドブックは少し古いので今は状況が変わってきてるみたいだけど、ドミトリーはまだあるみたいなので、今後のウイグル自治区の情報が得られるかもと思ってまずはその宿に向かう。
しかし着いてみると立派な建物とレセプション。やる気が無いのか、俺みたいな小汚い自転車乗りは迷惑なのか、レセプションの女性はまるで接客の態度ではない。(この前の酒泉賓館はその辺は結構しっかりしてた)
値段を聞いてみると80元。ネットはあるみたいだけど高い。この人の態度と値段でもう泊まる気はうせたけど、一応部屋を見せてもらう。一階のロビーに面した6人(8人だったかな?)部屋でロッカー無し。値下げにも応じてくれない。他の部屋には誰か泊まってる雰囲気もあったけど、これは却下で。

飛天賓館を出て、じゃあユースにするかと思い、すぐ近くで看板を見たのでそこに行ってみる。飛天賓館から北に行って最初の交差点を左折したところ。
でも良く見ると国際青年旅舎(ユースホステル)ではなくただの青年旅舎だった。一応入ってみるとドミトリーではなく個室。部屋は綺麗だがトイレ・シャワー共同で80元。いや、まだ高いと思って出ようとすると60元にまけてくれた。
少し迷って、結局ここにしてしまった。個室の魅力には勝てない。とりあえず一泊だけしてみる。

 
荷物を置いてから夕食。近くの店(飛天賓館の向かい)でロバ肉の水餃子とキャベツの漬物。この辺はロバ肉が有名とどこかで聞いたので。
メニューを見ていると隣の家族が話しかけてきた。英語が少し話せて、メニューを解説してくれる。観光地らしい外国人に慣れた接し方に少し戸惑いつつも、その優しさは嬉しい。店のオバちゃんも自分を見たとたんに「日本人?」って聞いてきた。

味のほうは思ったより癖が無い。個人的にはもっとパンチが効いた味を期待してたが。何はともあれ冷えたビールで敦煌到着を祝う。

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観光地なので値段はどれもほんの少しずつ高いような印象。
でも店の雰囲気は悪くなかった。どこにでもあるような、小さなお店。後ろではおばちゃんが餃子を包んでいる。

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宿に戻ってシャワー。でも同じ階のレストルームの明かりがつかなくて、わざわざ別の階に移動しなければいけない。しかも若干臭う上に、シャワーヘッドが壊れていてお湯が配管から直接出る。もう面倒なので簡単に済ませる。

今日は何かのタガが外れて、つまみとビールを買ってダラダラ。そのあと日記も書かずに寝てしまった。

 
【今日のビール】
青島ビールの純生。(上の写真のやつ)
名前が日本っぽい。普通の青島と味の違いは認められない。

でもその後にこれ↓(西涼ビールの金麦芽)を飲んだら
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青島の方が美味しかった。
これは5元、青島は10元。値段の違いは味の違い、わかりやすい。

 
【走行データ】
走行距離:119km
総走行距離:4488km

カテゴリー: ビール, 中国(China) パーマリンク

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