7/22 柳園→星星峡 (104km)

朝起きたらやはり疲れが出ている。
しかし、朝食に牛肉麺を食べて昨日の日記を書いたりしていたら徐々に調子が出てきた。出発は9時過ぎ。

走り始めると下り坂。昨日感じていた以上の斜度だった。

柳園の駅は国道から6km程外れたところにあるので、まずは昨日通過した交差点まで行く。はっきりとした標識は無いが、GPSを見る限りこの交差点を曲がって北上すれば良いはずだ。

少し不安なのはGPSの地図や事前に調べたGoogleMapだとこの先で312国道が高速とぶつかって消えているということ。しかし中国で買った紙の地図ではしっかり312国道が書かれているので、とにかく進んでみる。

↓交差点
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進み始めると幅のある道で舗装もまともな状態。少し安心して走っていると、

↓鉄塔が倒れてる!?
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と思ったら、どうやら建設中らしい。倒れた状態で組み立ててから起こすのか、そこかしこに無造作に鉄塔が寝転がっていた。

 
そこから少し進むと

↓あれ?
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道が塞がれている。
おいおいおい、困るな。

先を見てみると、高速道路に吸い込まれるようにして国道がなくなっている。まさかもともとあった国道の上に高速を造って、哈密までの道は高速だけということ?

どうしよう、そしたらバスを使っての移動か、あるいは大幅にルートを変更して南回りのルートで行くしかないのだろうか。それとも高速を自転車で走れるのだろうか。とりあえず交差点までもどって誰かに道を聞いてみよう。

交差点のガソリンスタンドに入って聞いてみると、高速道路でいけると教えてくれた。実際に料金所に行ってみても問題なく通過。

本来はもちろん自転車は走行禁止
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一般道が無いから黙認されてるのかわからないけれど、とにかくもう無茶苦茶だ。

しかしこれでとにかく哈密まで行ける。それに正直に言うと、高速は路肩が広く舗装も綺麗なので楽ではあるかもしれない。しかも下手したら一般道より安全だ。

少し走ったら先ほどの国道が消える箇所。道を破壊してある。
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途中の料金所にて以前から撮りたいと思っていたものと遭遇。

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19台積みのトランスポーター。凄まじい積載だが、そもそもちゃんと車を固定してるのか不安になる。
 
  
その後は1800m台の高原の道。乾燥した荒野や丘陵地帯が続く。
50kmほど走ったところで昼食。昨日買った干し瓜を食べる。が、虫の卵と幼虫の死骸を見つけてしまい、その場で廃棄いたしました。そうだよな、虫除けも何も無い場所で干して作ってるから、ハエが卵を産み付けるにはいい場所かもしれない……。味も少し変だった……。

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気を取り直して走り始める。日差しが強くなってきたので、敦煌で買った帽子を装着。
しかし少し走るとドライブインを発見。なんだ、もう少し走ってればここで食べられたのか。空腹ではなかったが、食べられるうちに食べておこうとチャーハンを食べる。
飲み物を補充してから出発。

その後も似たような風景が延々と続く。綺麗ではあるが、満腹の状態だと眠くなってくる。

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↓鹿がいるのだろうか
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↓風で浸食されたであろう台地
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標識の日陰で昼寝をしたりしつつ進む。

敦煌で買った帽子はなかなか悪くないのだが、しかし風が強くなるとツバが折れて視界を塞いだり、飛ばされそうになったりするので、使うのは風が弱いときに限られそうだ。

18時頃に星星峡という村の手前のガソリンスタンドで休憩。飲み物を買って、店員にこの先に宿があることを確認。
↓このお茶を買って飲んだが
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中にドロッとした謎の塊が入っていたのでこれも廃棄。製造から1年は経っていたものの、まだ賞味期限内。なんだったんだアレは……。

 
そこから少し走り、最後の上り坂を過ぎると星星峡の村、というかドライブインに到着。
そしてここは新疆ウイグル自治区の入り口でもある。

とうとうここまでやってきた。

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ここからが濃い時間の始まりだった。

宿を物色しながら走っていると自転車旅行者を発見。英語ができたので話していると、香港から来て、この先ロシアのモスクワまで行くという。おお、それはなかなかの長距離。
話の途中、反対車線から若い男性がやってきて話しに加わる。なんと彼も自転車旅行者で、しかも香港出身らしい。そして反対車線の宿の前にドイツから来た自転車旅行者もいると言うのだ。4人の長期自転車旅行者が集まるなんて、そうそうあることじゃないように思える。

さっそく全員集まってみると、ドイツからの人は40代くらいの女性。旅慣れた、タフな印象の人。
少し話してから、宿は満室だというので、宿の裏にあるボイラー室のようなスペースでみんなで泊まることになった。

↓全員のカメラをセットして一斉に撮ったので、みんな別の方向を向いている
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左から自分、中国一周中のエリック(24歳)、ドイツから来た世界一周中のハイケ(42)、モスクワへ行くカーソン(22)。(中国の若い人はよく英名を名乗る)

 
近くの食堂で食事しながら会話。カーソンはかなり英語を喋る事ができて、ハイケとなかなか深い会話をしているようだ。エリックはあまり英語が得意でないらしく、自分もそこまで得意ではないので、二人が話してることは半分も理解できない。しかし二人はこちらにも突っ込んだことを聞いてくる。福島の原発事故について「日本人はどう思っているのか」「君は日本は安全だと思う?」「日本政府はなぜ国外の専門家にアドバイスを求めないの?」等々。特にカーソンは第二次大戦時に関する、言ってみれば少しデリケートな話題(特に旅行者の間の会話としては)にも踏み込んできて、ひょっとしたらカーソンは日本が嫌いなのかなという印象を持った。
どちらにしろ、二人の質問に対して満足に答える語学力は無く、そもそも自分はこれらの事に関して勉強不足だということを再認識させられ、とても複雑な気持ちになったのであった。

しかしもちろん、別に険悪な雰囲気と言うわけではない。ハイケは少し“摺れた”感じがするものの良く笑う女性(そしてベジタリアン)で、カーソンはよく勉強した学生らしい自信にあふれた青年、エリックとはあまり話せなかったけれどもフレンドリーで優しい印象。実に多彩なメンバーだ。

テントを張る建物に戻ってからも話しは続き、寝たのは24時近く。ウイグル自治区に入った日にふさわしい、記憶に残る夜だった。

 
【走行データ】
走行距離:104km
総走行距離:4730

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  1. takamushi akiko のコメント:

    写真ありがとう!!でも、なんいらなか確信のもてない感じです。キャプションあるし、他の人ではないのは確かだけど・・・・・・。あら!!知らない人になっちゃった!!
                                               <クマ>

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