8/16 130団→乌苏(Wusu) (27km)

今日はココさんの家を出発する。130団から自転車を置いてある奎屯までは40km程度あるので、また初日と同じ人に車で運んでもらうことになった。

出発までの間、ココさんと(主にケイさんが)話しをする。
ココさんも外国に行くことを夢見ているが、お母さんがそれを許してくれないらしい。それどころか中国国内の一人旅もそうそう許してくれないと言う。それだけを聞くと高校生とその母親の話のようで、ココさんはもう25歳の働く女性なのだから自分の好きなようにすれば良いのにと思うが、石河子のホストの男性も似た様な事を言っていて、中国の家庭ではよくある話なのかもしれない。考えてみれば、ちょっと前に一緒に走ったカーソンやジョージもそれに近いようなことを言っていた。

母親は我が子が家に居続けるのを当然と思い、子供もそれを振り切れない(あるいはそれに甘えている)。ひょっとしたらココさんは、我々を家に招いて母親に見せることによって、母親の考えが変わることを期待したのかもしれない。でも僕らが見ても、そんなことで容易に問題が解決するような母親では無さそうだった。

後はココさん自身が大きく動くしかないと思うのだが、ケイさんが何度言っても彼女はまだ思い切れないように見えた。
しかし、彼女の気持ちも強いもののようだったので、何とか頑張って新しい世界に飛び出してもらいたいと思う。
 

さてさて、車に荷物を載せて出発。
綿花畑の中を走る。

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奎屯についてからはまず宿探しをしてもらう。今日はもう走り出すには時間が遅いので、ケイさんとユキさんも今日はとりあえずここに泊まって明日出発する。

しかし、いつもどおりどこも外国人は駄目。いつまでも送ってくれたおじさんに付き合ってもらうのは悪いし、すぐ近くの隣町であれば町の規模ももう少し小さいので宿探しはやりやすいと判断し、自転車で移動することにした。

↓ウイグル自治区に入ってから入り口にこんなものを置いてある宿が増えた
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↓送ってくれたおじさんの車。メーカーは「五菱」! (三菱のパクリ?)
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自転車を置いてある学習塾まで車で送ってもらってからおじさんと別れる。荷物を自転車に取り付けて出発準備。ここの塾の男性も良い人で、日本人と知っても悪い顔もせず、むしろ隣の商店で台湾ソーセージまで買ってご馳走してくれた。ありがたや。

でもここで忘れ物に気付いた。いつも使っている水を入れるボトルが無い!

↓これ
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いつもは自転車に荷物を付けた状態で忘れ物が無いか最終チェックするが、今回は荷物だけを持ってココさんの家を出たので抜かりがあったのだ。

これは地味にショックだった。使っていたボトルは日本の自転車屋で安売りしていたBBBのボトルで、匂いの付きにくい素材で、飲み口のところに蓋がついているので乾燥して埃っぽい土地では重宝していた。しかも走りながらも片手で飲めるので、自転車のハンドル部分のボトルケージに付けてこまめな水分補給をしていたので、これがなくなると暑い地域では走行に支障が出かねない。

因みに写真に写ってるのは使い古した靴下をかぶせてある。これはちょっとした小ネタなんだけど、この靴下を濡らして走ると走行風が当たって水分が蒸発し、気化熱でボトル内の水が少しだけ冷たくなると言うもの。こちらのサイトに紹介されているのを見て採用したのだけど、これは乾燥してるこの地域ではなかなかの効果。滅茶苦茶に暑いときだと「冷たい」という程にはならないけれど、これをしてないとボトルの水は簡単に温度が上がってお湯になってしまうので、それを防げるだけでもありがたい。散々暑い中を走った後に飲む水分が「お湯」か「常温の水」かでは気持ちの回復度がまったく違う。これは積極的な水分補給にもつながる。

そんなわけで、隣町に着いたら代替のボトルを探さなくては。

 

隣町の乌苏(Wusu)までは20kmほど。今日も暑いけれどサクッと漕いで、町の入り口で遅めの昼食。牛肉麺と、そしてビール!(飲酒運転良くない)

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ここ乌苏はWusuビールの故郷。これはもう飲むしかないでしょう。

 
さて、肝心の宿探し。ビールを飲んで良い心地で臨んだものの、結局今日も苦労してしまった。宿を数軒当たって良いところが見つかったのだが、そこでは公安に行って何か書類をもらってからでないと泊まれないという話。それならと近くにあった公安に行ってみたのだが、結局その宿は泊まれないらしく、公安の指定する別の宿でないとだめだと言われた。でもその時の公安の兄さんは結構良い人で、「他の宿でも安くなるようにお願いしてみる」というようなことを言ってくれたのだが、そこから別の警察官に引き継がれてパトカーの先導で別の公安局へ向かった。

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そこでパスポートのコピーをとったりして、最終的に連れて行かれたのは見るからに高そうな宿。しかも宿に着いたらパトカーから降りもせず、「あそこだから」と言って走り去ってしまった。ちょっと、値段交渉!

ホントに、こういうことが続くと早く中国から出たいと言う気持ちになってくる。中国のこの制度(外国人宿泊制限)は、外国人の中国政府に対する不満やウンザリ感を生むばかりのまったくメリットの無い制度だと思うのだが、まったく何を考えているのだろう。

それと後から思ったのだが、パトカーがすぐに走り去ってしまったのは、この辺はウイグル系と思われる人の割合が多い地区のようなので、彼らもあまり無闇にうろつきたくなかったのかもしれない。
 

宿はツインベッドで138元の部屋しか空いていなかった。高いが3人で割ればダメージも少ない。明日は自分だけが残る予定なので、もう少し安い100元の部屋に移る予定。

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近くのスーパーで買い物。失くしたボトルの代わりを買う。自転車ショップで売ってるような専用のものでも良かったけれど、こちらの方が使い勝手が良さそう。匂いが付かない素材で、お湯を入れても大丈夫。えーと、確か25元。

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夕食はポロ(漢字では「抓飯」)。

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この店は回族系の店だったのでビールは置いていなかったけれど(ムスリムなので。それでも置いてある店もあるけど)、ケイさんが聞いてくれて店で飲むこと自体は大丈夫だったので、隣の商店でビールを買って乾杯。ポロと一緒に出てきた小皿の漬物(?)がビールにあう。

【今日のビール】
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TUBORGビール
Wusuビールより高いけど、味はむしろより特徴の無いものだった

 

3人で話しが盛り上がってくるとテーブルの周りだけ日本になってくる。ここが中国であることを忘れそうになるが、ふと横を見ると回族の白い帽子をかぶった店のおっちゃんが横を通り過ぎていく。そのギャップにハッとなり、なんとも不思議な気分になる。

でもこの感覚は嫌いじゃない。一人で旅をしていても、店でビールを飲みながら町の様子を眺めていると「ああ、遠くへ来たんだなぁ」と感じる。

 
ケイさんとユキさんはこの後もまた別のホストの家に泊めてもらいながらのんびり進むようで、僕のことも誘ってくれた。

そろそろ一人旅を再開しようと結構前から思っていて、今日もそのつもりだった。でも、一人旅は自分さえやろうと思えばいつでも出来るけれど、今のこの出会いは例え望んでも自分だけでどうにか出来るものではない。だったら、この流れを大切にして二人の旅に乗っかってみるのも悪くは無いかなと思う。

そんなわけで、いったんは別れるけれど、この先の町でまた合流することになった。三人旅はまだしばらく続きそうだ。

 

【走行データ】
走行距離:27km
総走行距離:5892km
 

カテゴリー: ビール, 中国(China) パーマリンク

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