9/29 レニンスコエ→カラバルタ (82km)

今日こそ出発しなくては。ケイさんたちもビシュケク市内のカウチサーファーの家に移動する。

準備を進めていたらケイさんがテーブルに置いてあった紙を見つけた。「一人一泊1000ソム、合計13000ソム」というような内容の請求書だった。家族の誰かが書いて我々の目に付くように置いておいたらしい。

一気に気分が落ちてしまった。ここまできて金を取るというのか? 確かに好意に甘えて図々しくも何泊もさせてもらったが、それにしたって……。それならそれで最初に言ってもらいたかった。

これを書いたのはルミダさんの旦那さんだろうか。彼は他の家族と比べて今回の宿泊に対してあまり好意的ではなかったらしい。とりあえずこのまま無視するわけにはいかないので、一番味方になってもらえそうなルミダさんにこの紙を見せにいったら、その場に居た旦那さんの方に向けて助けを求めるような、それでいて非難するような表情をしてその場を離れてしまった。その後をついていったら「忘れて」というふうに一声だけかけられて、また旦那さんのほうに戻っていった。

恐らくこれは大丈夫ということなのだろうか。はっきりとしないまま荷造りをして自転車の準備をしていると、ケイさんの携帯電話にルミダさんからメールが入った。結局、やはり旦那さんに言われてルミダさんがあの紙を書いたようだ。おばあちゃんもその場にやってきて、「気にしないで」というように目の前でさっきの紙を破り捨ててくれた。
 
 
 
これでとりあえずこの問題は無かったことになったが、反省すべきことも多い出来事だった。当然のことだが、タダで泊めてもらっている以上、その家では謙虚に控えめに振舞わなくてはならない。そうしないと泊めている側の不満が溜まっていってしまう。

もちろんケイさん達は何もお返しをせずにただ泊めてもらっていたわけではない。料理を作ったり、家の子供にサッカーボールをプレゼントしたりしていた。

しかしそれでも実際に不満は溜まっていたのだろう。宿泊者が3人に増えたのも問題だったのかもしれない。タダで田舎暮らしを体験させてもらおうなんて気軽に思ったのは虫がいい話だったかもしれない。

こういうことも起こりえるというのを、これからはしっかり肝に銘じておかないと。
 
 
 
しかし、ぎこちない雰囲気はあるものの最終的には和解した形で別れられたのは救いだった。ルミダさんが最後に「私たちは友達よ」と言っていたのが印象に残っている。

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出発は11時。ビシュケク方面に向かう2人とはすぐに別れる。今回こそ本当にお別れだ。次はいつ、どこで会えるのか。ひょっとしたらヨーロッパで会うかもしれないが、その可能性は低いように思える。後はお互いに旅を終えたときに、日本で再会して居酒屋でビールでも飲むことになるかもしれない。どのような形で再会することになるのか楽しみだ。

二人の旅もまだまだ長い。彼らが良い旅を続けられることを願っています。

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今日はビシュケクから西へ進み、カザフとの国境手前にある町まで行く。本来ならば明日はそのまま国境越えだが、もう少しキルギスを味わうためにその町から南下して山間ルートを行く予定。

その町までの道は舗装が悪く、交通量も多くて単調な道。

↓日干し煉瓦か何かを作っている
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↓昼食はサンドイッチのようなもの。30ソム。
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↓小さな町をいくつも通り過ぎるが、そのどこにも必ずモスクがある。しかもそのすぐ近くにロシア正教の教会があったりして面白い。
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退屈な道で黙々と進んでいたのだが、途中ですれ違った青年がこちらに挨拶してくれたように見えた。普段から声をかけてくれる人はいるのだが、この青年はこちらに目を合わせ、右手を胸に当てて小さく会釈をしてくれた。イスラム式の挨拶だろうか、自転車で通り過ぎる一瞬ではあったが敬意を払ってくれているような彼の目が忘れられない。
 
 
 
国境手前の町・カラバルタに到着。地図で見てここなら宿がありそうな規模の町だと見当をつけていたが、予想通り。地元の人に聞きまわってなんとか宿を見つける。それでもあまり高かったらもう少し進んで野宿しようと考えていたが、シングルが300ソムだったので泊まることにする。トイレ付き、シャワー無し。

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↓部屋の玄関部分の内側にさらにドアがあるのだが、これがドア枠とまったくサイズが合っていないという不思議な状況
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↓夕食はプロフ
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今日はここでしっかり休んで、明日から峠越え。さあ、3000m級の峠が待っている。
 
 
 
【今日のビール】

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ペットボトルビール(1ℓ)。この辺では銘柄によってはこのようにペットボトルに入っているものがあって、1ℓや2ℓのボトルがある。このほうが0.5ℓの瓶を複数買うよりは安いのだが、なんとなくペットボトルだとあまり美味しく無さそうに感じてしまう。

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ついでにコニャックを買ってみた。コニャックは特に好きでは無いけれど、名が「ビシュケク」となっていたのでつい。
 
 
 
【走行データ】
走行距離:82km
総走行距離:7311km

カテゴリー: キルギス(Kyrgyzstan), ビール タグ: , , , , パーマリンク

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