10/1 山間でキャンプ→峠越えてキャンプ (38km)

夜中に断続的に雨と突風があった。夜が空けて外を見てみるとまだ雲が低く垂れ込めている。

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朝食のインスタントラーメンを食べおえたらまた雨が降り始めた。雨の中の峠越えは大変なので出発を見送る。天気が回復してくれれば良いけど、最悪はこのままここに連泊する必要があるかもしれない。

とりあえず、昨日調子が悪かったガソリンストーブのポンプを分解してみる。説明書を見ながら進めていくと、ポンプのピストン先端についているゴムの部品が外れていた。付属の潤滑油を注して元通りに組み立てると復活。どうやらなんとか大丈夫そうだ。

修理を終えてもまだ雨が降っていて、時々雷の音も聞こえる。……寝よう。

 
 
 
短い時間だったが夢を見て、子供の頃からの友達が出てきた。特にどうということのない夢だったのだが、今自分が置かれている状況とはあまりにも無関係な夢で、なんだか不思議なものだ。

10時になって目が覚めると晴れていた。ちょっと遅い時間だけれど、出発しよう。

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準備を終えて出発したのは12時。その頃には結局また曇ってきてしまった。

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気温は低めで時々雨粒が落ちてくる。こういうときの登りは本当に大変。今日は普段着ている長袖のTシャツの上にmont-bellの中厚手のジャージを着て、サポートタイツもmont-bellの中厚手にしたのだが、漕いでいると暑くなってきて汗をかき、休憩で停まると汗が冷えて寒い。天候の回復が見込めない中で体温を下げるのは危なさそうなので出来るだけ汗で服を濡らさないようにこまめに休憩し、休憩時にはすぐにウインドブレーカー代わりのレインウェアーを羽織るのだが、なかなか思うようには行かず体力を消耗していく。

すぐ羽織れるようにレインウェアーをくくりつけておく。

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しばらくは川沿いの道。どこから来るのかわからないけれど、今日も馬や羊が山を下ってくる。

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峠が近づくにつれ九十九折の道になり、斜度も急になる。

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休憩にチョコレートをかじる。さくらGHにいた時に美味しいと教えてもらったロシアのチョコ。

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峠のピークは恐らく3200m位。今日のスタートが約1700mで、まあ今日中には越えられるだろうと思っていたが、予想以上に進まない。峠を越えるだけなら何とかできても、その後に山を降りて野宿場所を探す時間があるだろうか。

2500m位から雲の中に入る。この頃には気温もさらに低くなってきて、レインウェアーを着たまま走る。

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次第に息がつらくなってくる。以前、中国の甘粛省で3000m弱の峠を越えたときはそれほど辛くなかったのだが、その時は1500m以上の場所を1週間ほど走った後だったのでいくらか楽だったのかもしれない。今回はビシュケクでしばらく滞在していた上に、それ以前も1000m以下の場所に居たので、一気に登ってくると身体が追いつかない。

そして何より辛いのが天気が悪くて景色が楽しめないのが辛い。これでは何のためにこのルートを選んだのかわからない。ただ黙々と登り続ける。

2700mあたりで雨を降らせていた雲の上に出るが、それでも景色はすっきりとしない。雲の動きはダイナミックで見ていて面白いのだけれど。

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九十九折の1コーナーごとに休憩し、深呼吸をして呼吸を落ち着かせる。ソンクル湖での高山病(?)の件があったので、慎重に慎重に。

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峠のピークに着いたのは18:30頃。ピークといってもトンネルで山脈の向こう側へ抜けるのでイマイチ感動は少ない。

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標高はGPSで3113m、腕時計の気圧基準で2990m。気温は9℃。寒い!

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ビシュケクで買ったジャケットと手袋で防寒してトンネルへ。幸いトンネル内は明るかったものの、狭く、埃っぽく、臭く、うるさく、舗装はガタガタで、しかも少し登りという最悪なものだった。道幅が狭いため大型のトラックは交互通行になっていた。
 
 
 
全長3kmのトンネルを抜けるともうかなり暗くなっていた。ライトで路面を照らしながら慎重に下る。

明るければ絶対に良い景色なのに!と悔しい思いをしながら下る。

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しかしそろそろ景色なんて気にしてる余裕がなくなってきた。遊牧民の番犬には追いかけられるし、本格的に暗くなって野宿場所を探すのも困難になってきた。

下り道の途中に駐車場があった。車道から丸見えだけれどここでキャンプしてしまおうかと思ったが、そこから少し外れたところにあまり目立たない場所があったのでそこにテントを張る。なんとなく人糞臭いけど(トイレの無い駐車場だと皆さんその辺で済ませるので)この際贅沢は言ってられない。

野犬(狼?)が遠吠えしながらテントの近くを通りかかって緊張したりしたけれども、20時ごろには夕食にありつく。駐車場が近いのでテントの明かりをつけて目立つのも嫌だから、今日はもうさっさと寝てしまおう。
 
 
 
ああ、なんだか辛いだけの峠越えになってしまった。天気さえ良ければ……。
 
 
 
【走行データ】
走行距離:38km
総走行距離:7397km

カテゴリー: キルギス(Kyrgyzstan) タグ: , , パーマリンク

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