6時に目覚ましをかけたがまったく気付かずに寝坊して7時に起床。しかも洗濯物が全然乾いていなくてショックを受ける。とりあえず昨日かっておいたパンで朝食をとり10時に出発。
この宿は集合住宅の一階部分にあり、その数棟ある集合住宅の中には児童公園があった。ソ連の集合住宅と日本の団地は雰囲気がよく似ている。
↓洗濯物をメッシュの袋に入れて乾かしながら走ることにする
晴れている、それだけで気持ち良い。もうこのへんでは紅葉が始まっている。
【今日のピクトさん】
運動場にあったもの。手に持ってるのは自分の頭ボールだ。
道は緩やかな下りで快調に飛ばす。途中には小さな村があるのみでたいした店も無いので休憩もそこそこに走り続ける。
貯水池があったのでその近くで昼休憩。
午後になって大きなダム湖に差し掛かる。しかし水の量が少ないらしく、しばらく湖面は見えない。
次第に周囲の地形が険しくなってくる。ここの地形はなかなか面白くて南側が緩やかな丘陵地帯、北側に東西に走る小さな山脈があるのだが、なぜか山脈に向かって標高が下がっているらしく、しかもこの湖から流れ出す川は山脈を貫いてさらに北側の平原に進んでいる。もともとこういう不思議な地形なのか、それともダム造成時に人為的に作られた状況なのか、大変興味深い。
↓巨大なレーニン(?)の顔が
ダムを過ぎたのが16時ごろ。ちょっと遅くなってしまったが、ここからペースを上げられれば何とかカザフスタンのタラズにつけそうだ。途中、町を通り過ぎるたびに犬に追いかけられたりしつつ国境まで急ぐ。
国境についてから両替。15000ソムを49950テンゲに。
両替を済ませたらさっさと出国する。キルギス内の走行距離は約520kmだった。
キルギス出国はスタンプを押されるだけで特に問題なし。担当官もフレンドリーだ。
カザフスタン入国は若干面倒だった。自転車を置いて入国審査の建物に入り、出入国カードを自分で記入。若い女性の担当官につたない英語でいくつか質問を受けた。こちらも外国人登録等の質問をしてから最後に、
国境職員「カザフは好き?」
自分「もちろん!」
国境職員「OK、合格よ」
カザフに入国してからも休むまもなくすぐに走り出す。国が変わっても、やはりそれほど変化があるわけでは無い。キルギスと同じような町をいくつか通り過ぎる。
↓国境近くに発電所があった。重要施設を国境付近に建設するというのは、それだけ両国の関係が安定しているということなのだろうか。
タラズの町には18時ごろに到着。なんとか明るいうちにつけた。すぐに宿探しを始め、道行く人にホテルの場所を聞きまくる。みんな親切に教えてくれるのだが、しかし今日は難航した。
ホテルを探すもロシア語の看板が読めないので人に聞くしかなく、しかもどこもかしこも高いのだ。一軒だけ3000テンゲのところがあったが雰囲気(安全面での)があまり良くなかったりして、なかなか決まらない。
もう真っ暗になってきたところで見つけた宿に値段を聞きに入っていくと、警備員の若い男性がとてもフレンドリーに対応してくれた。どうやら日本が大好きらしい。
ただこの宿は1泊9000テンゲ(約5400円)もするので泊まれなかった。そのことがわかるとさっきの男性が「じゃあうちに泊まりなよ」と言ってくれた。しかし今日はもう疲れてしまったので気を遣わなくて良いホテルに泊まりたかった。それに外国人登録をする必要がある(外国人登録は宿泊させる側も届出が必要だったはず)。なので、ありがたい誘いだったけれど今日は断ることにした。
それでも彼は色々気を遣ってくれて嬉しかった。別れ際に「もう暗いから気をつけるんだよ。この辺は銃を持ったやつがいるから」と言っていた。やはりカザフの夜は結構物騒らしい。
もう時間は21時近く。町の中心では野外ライブのようなことをやっていて賑やかだったが、こちらはそんな明るい気分にはなれず焦りと疲れがそろそろ限界だった。
結局、1軒目に見つけたホテルに戻ってそこに泊まることにした。一泊5000テンゲと高くネットもなかったが、宿のおばちゃんは親切だった。もう今回は諦めて安全を優先しよう。
今日はもう疲労困憊だ。しかも今後のカザフスタンも宿泊の面で不安が残るスタートだ。
この日はあまりに疲れて食事を作る気にもならず、ビールを飲んで寝てしまった。
【走行データ】
走行距離:122km
総走行距離:7686km