スリコの家の朝は遅い。みんな9時ごろまで寝ている。「みんな」というのは家の人も含む。
朝食はヒンカリ。それに昨日の残りの米料理や漬物が出る。朝からモリモリと食べられて嬉しいのだが、油断してはいけない。ここでは朝から飲まされる。
昨夜のボスはスリコだったが、朝はメディコだ。しかも葡萄から作った蒸留酒・チャチャ(アルコール度数40%)を飲ませてくる。昨夜はスリコに対して「あまり飲ませすぎないで」と口を尖らせていたメディコだが、朝になるとなぜかメディコはチャチャをしきりに勧めてくる。「寒いからこれを飲むと温まるよ」、「ヒンカリとチャチャはとてもあうよ」となんだかんだそこにいる全員に飲ませる。恐ろしい人だ……。
朝食が終わるのは11時頃。ホステル・ジョージアで「スリコの家の朝食は遅い時間だし量も多いから、1日2食ですむ」と誰かが言っていたが、確かにその通りだ。
同宿の人たちとクタイシ観光。まずはロンリー・プラネットに載っていたユダヤ人街へ。どういう歴史的背景があるのかは判らないが、クタイシにはユダヤ人が暮らす地域があるらしい。地図で見るとシナゴーグもある。
しかし実際に行ってみると特に街並みが変わるわけでもなく、ユダヤ系の人の見分けもつかない。シナゴーグも敷地内には入れたが、鍵が閉まっていて残念ながら中は見ることが出来なかった。
次は川の対岸にある丘の上のバグラト大聖堂。そこへ行くまでの道にも小さな教会がいくつかあったので見学。
ここの神父さん(?)はとてもフレンドリーで、なぜかワインを振舞ってくれた。
賑やかな町の中心を抜けて、
急な階段を登り丘の上のバグラト大聖堂へ。ここはかなり歴史のある建物のようだが、修復工事中だったり、部分的に近代的な増築がなされていたりとちぐはぐな雰囲気を感じないでもない。
丘を降りてからはバザールへ。ここでは「温かいキャンプ計画」のためにおばあちゃんが編んだ毛糸の靴下を購入(5ラリ)。
トルコ内陸部の走行に備えて分厚いグローブも買おうかと思ったが、少し高めだったので見送り。後は食料品の売り場でラーメンスープの素みたいな味のパウダーを購入(1ラリ)。これでキャンプの食生活に変化をつけられれば。
食事も終盤になってスリコがいつの間にか寝室へ引っ込んでしまうと、メディコが宿泊客の酒にまつわる色々なエピソードを話してくれる。それは飲み過ぎに対する注意喚起として聞かされるのだが、こちらが「ああ、そうだな、気をつけないとな」なんて思っていると、今度は「まあ良いから飲みなさい」とさらにワインを勧められる。エッ?
「ゆっくり飲めば大丈夫だから」
スリコの家は今日も愉快だ。