昨日は寝るのがなんだかんだで遅くなってしまったので、今朝は6時半に起床。今の太陽の具合だとこれでは遅い。
しかしあまりやる気も起きず、もともとは8時出発を目指していたのに、実際に出発をしたのは10時前。カズヤさんに「イスタンブールで会えると良いですね」と一声かけてから出発。
↓ホテル・ベンリの部屋
近くのATMでお金を下ろしてから走り始める。トラブゾンは海の近くまで迫る山地の斜面にへばりつくようにしてある町で、スタートした直後から一番軽いギアで立ち漕ぎしないと登れないような坂があったりする。
トラブゾンを抜けてからも幹線道路沿いに町が続き、その町を抜けてもトラブゾン以前の海岸と同じような風景で単調な走行だ。しかし今日も追い風が吹いていてくれるので、進みは良い。
昼頃に町に差し掛かったので、幹線道路を外れて街中へ入り昼食。中心から少し外れたところにあったあまり人の入っていないレストランでピデを食べる。パンに挽肉とタマネギを炒めた物がのせてあって、タマネギの甘みが良く出ている具と、パンのモチモチしつつも適度にある固さが美味い。しかし8リラとそこそこのお値段。
ここの若い店主(?)がフレンドリーで、「食べ終わったらフェイスブックで友達登録しよう!」と言ってきたので食後に店のパソコンで登録しようとするが、なぜか上手くいかない。いろいろやってみたのだが、結局登録できなかった。
それならそれで仕方ないので、まあとにかく出発しようと料金を払おうとすると「お金はいらないよ」と。今までもたびたびこういう事はあって、正直に言うと「これは奢ってくれるかも」と予想してしまう時もあるのだが、それでも実際にそういう状況になると驚くし嬉しい。
彼の優しさに、嬉しさとなにかホッコリと温かい気持ちを抱きながら午後の走行を開始する。
午後も快調に進む。足だけはしっかりと動かしつつも、あまり変化の無い風景を眺めたり、ボーっと考え事をしながら走る。
夕方になって今日の目的地のひとつ手前の町に着いた。このままだったらまだ明るいうちに目標の町にたどり着けるが、そこにホテルがあるかは判らなかったので、野宿の可能性も考えてここで買出し。
商店の前に自転車を止めたら、隣の町工場から出てきた男性に声をかけられた。いつもの様にどこから来てどこまで行くのかという話をした後に次の町にホテルがあるかどうかを聞いてみたら、一応1軒だけあるらしい。
じゃあ買出しを済ませたらとりあえずそこを目指してみようと思っていると、その男性が「チャイを飲んでいきなよ」と誘われた。日没まであまり時間が無かったが、折角なのでいただくことに。
チャイを飲んでいると、他の人がわざわざそのホテルに電話してくれて値段を確認してくれた。するとどうやら一泊150リラくらいするらしい。それはちょっと高すぎるので、やはり今日は野宿になりそうだ。
声をかけてくれた男性が「ウチに泊まっていけば」と言ってくれたのだが、この後の山越えに備えて今日のうちにもう少し進んでおきたかったので、今回はお断りをする。
それにしても本当に優しい人が多いな。トルコは親日国ではあるが、それにしてもこんなにあっさりと受け入れてくれてくれるのか。早くもトルコ人の優しさにノックアウトされそうだ。
それにしてもこの優しさ、というかフレンドリーさは誰に対してもそうなのだろうか。他の国の人に対してはどうなのか、女性に対してはどうなのか。
買出しを済ませて出発すると既に15時半で、もう日没まで30分しかなくなってしまった。もう少し距離を稼ぐつもりが、ゆっくりしすぎて結局あまり走れなくなってしまった。
この辺は時々砂浜があって海岸に下りられる場所も多いので、人目につかない場所を探してキャンプ。砂地でペグが打てないが、幸い風はなくなったので問題ないだろう。
波の音を聞きながら今日起きたことを日記に記す。
今日出会った彼ら。彼らにとって「これっきりの出会いだし」とか「言葉が通じないから」とかいった事はさして重要ではなく、彼ら自身が一度でもこちらを受け入れればその時点で「友達」にしてくれるのかもしれない。だから食事は奢ってくれるし、チャイに誘ってくれるし、家に泊めてくれようともしてくれるのか。
もちろん“自転車で走っている”という要素(物珍しさ)があるからこそ、というのもあるかもしれないが。