1/31 Volvi湖→テッサロニキ(Thessaloniki) (56km)

夜中に断続的な強風と雨。風のせいで湖とは思えないような大きな波が岸辺に打ち付ける音が聞こえてくる。こんななかでも子犬はまだテントの近くにいて、時々何かに吼えたり唸ったりしている。

風や波の音、そして何より子犬のことが気になってあまりよく眠れなかった。
 
 
 
朝になると雨と風は治まっていたが、犬はまだいた。

ひょっとして迷子なんだろうか。帰る当てが無いから、とりあえず手近な人間に付いて回ってるのかも。

朝食を食べ終わると雨がまた降ってきたので、テントの中でやむのを待つ。犬もテントの前室に入り込もうとしてきて、最初は追い出していたのだが、もう後はテントを撤収するだけだから大目に見てやることにした。一晩一緒に過ごすと愛着も湧いてくる。雨の夜でも平気で眠れるとはいっても、やっぱり雨風を防げるところの方が良いのだろう。

雨がやんでからもテントが乾くのを待つ間、一緒に二度寝をすることにした。

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出発は10時。

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「元気でいろよ。ちゃんと家に帰るんだぞ。」と最後に撫でてやっても、もちろん相手に伝わるわけも無く、自転車で走り出してからも犬はしばらく付いてくる。最初はじゃれるように併走してきたが、1km、2kmと走ると子犬の体力では徐々に置いていかれ距離が離れていく。それでもまだ必死に付いていこうと走り続ける姿を見るのは、犬を飼ったことがあったりして犬に対して特別な感情を持つ者にとっては辛いものである。振り返ったら犬は付いてこようとするだろうとわかっていても、振り返らずにはいられなかった。

3、4km走ってようやく犬の姿が見えなくなる。無事に家に帰ってくれるといいけど。車に轢かれるんじゃないぞ。
 
 
 
しばらくは緩やかな登り。走っていると少し汗ばんでくる。

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途中にあった遺跡。ギリシャ語での説明しかなかったので何の遺跡かはよくわからない。

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昼頃にランガダスという町に着いたのでここで昼食。ギロピタ、2ユーロ。ドネルケバブと同じような料理。串刺しになって回転しながら炙り焼きにした肉を、包丁でそぎ落としてピタパンにはさんで食べる。肉は豚肉? ベーコンのような食感で、ボリュームもあって美味しい。

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ギロピタを食べ終えると、通りをはさんだ向かいのバーの店主から声がかかった。「店によっていきな!」とジェスチャーされ、ギロピタを食べた店の人たちにも「行ってきな!」と言われるので、じゃあ行ってみようかと。

中では昼間から飲んでるおじさんがたくさん。店主の奢りでビールを頂きながら話をする。

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英語の出来るこの左のおじさんは、午前中は仕事をして、一杯引っ掛けてから午後はサッカーを見に行くそうだ。優雅な生活である。

店主のおじさんからはビールだけでなく自家製のチプロとオリーブの漬物をもらった。自転車だからあまり大きくて思い荷物は運べないのに、そんなのお構いなし。なんだか可笑しく、嬉しくなってしまった。

チプロはウゾと同様、葡萄を原料とするギリシャの蒸留酒。このおじさんたちによると、ギリシャの家庭ではみんなチプロを作っているそうだ。この頂いたチプロ、この前自分で買ってみた市販の安いチプロよりも品のよい味と香りで、予想以上に飲みやすく美味しい。こんなもの頂いちゃって良いのだろうか。

↓ウイスキーの空きボトルに詰められたチプロ。でもちゃんとラベルまで作ってあって、それを張ってくれた。
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今日もほろ酔い気分になったところで、テッサロニキまでの最後の行程をスタートする。しかしここに来て雨が本降りに。合羽を着て最後の小さな峠を越える。

↓ギロピタを食べた店と
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↓向かいにある居酒屋
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ここからは高速道路に侵入。自転車禁止の看板は無かったから、まあ大丈夫だろう。

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峠を越えてからはすぐにテッサロニキの市街地に入る。道はずっと下りで楽ではあるが、信号と交通量が多いので気が抜けない走行。

あらかじめ調べておいたホステルへ。中心地からは離れていて、とんでもない斜度の坂を登ったところにあるArabas Hostel。5人部屋のドミが11ユーロ。部屋にトイレ・シャワー・ロッカー・Wifi付き。しかも冷蔵庫とキッチンもあるという充実ぶり(しかし部屋での調理は禁止との注意書きが)。
 
 
 
シャワーを浴びて落ち着いてから夕食へ。

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宿のスタッフに教えてもらったレストランでラム肉の料理。デザートが付いて8ユーロ。肉は羊臭さがほとんど無くて個人的には物足りないが、ホロホロと崩れるように軟らかく美味しい。ボリュームもしっかりしている。

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明日はテッサロニキ観光。天気が回復するといいけど。
 
 
 
【走行データ】
走行距離:56km
総走行距離:12387km
 

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