「ドミトリーだとあんまり朝早くから準備するのも他の人の迷惑になるから仕方ないよね。」という言い訳の元、8時近くまで寝る。でも他の人は結構平気で5時台に出発したりしてたな。まあもちろん、そういうこと（5時台にガサゴソ音を立てられても文句を言わない）を了承した上で安い料金で泊まれてるわけだが。
昨日買っておいたお菓子とサービスのコーヒーを飲んでから、10時ごろに出発。今日は気持ちよく晴れている。
次の目的地はメテオラ。奇岩の上に建てられた修道院が有名な地域だ。ここからは約230kmで、移動に3日というところか。
宿を出るときにイタリア人の旅行者に声をかけられた。僕の“イタリア人”に対してのイメージ（「陽気でアバウト」）とは対照的な、控えめで物腰穏やかな印象の青年で、シチリア出身らしい。少し話をして、「もしシチリアに来るなら電話して」と連絡先を教えてくれた（電話番号には国際電話のイタリアの国番号まで書いてくれるというきめ細かさ）。この季節でもイタリア南部なら天気は悪くないらしく、そう言われるとイタリアも行きたくなってしまう。
渋滞と一方通行に難儀しながらテッサロニキを脱出。
↓自転車専用レーンも場所によってはあるが、路肩駐車が多すぎて機能していない
テッサロニキからカランバカ（メテオラ観光の拠点となる町）に移動するにはコザニという町を経由するルートが普通だと思うのだが、「普通」だとあまり面白くないし、途中の大きな峠を越えるのも大変そうなので、その南側を走るルートを進むことにする。このルートならオリンポス山の近くも通るし、なかなか楽しめそうだ。
まずは高速道路に侵入。自転車禁止の標識も無いし、多分大丈夫だよね（いや多分ダメだ）。
最初は路肩の状況が悪く走りにくかったものの、町を離れてからは快適な道。綺麗な舗装と追い風に助けられて走る。
しばらくは平地が続いて退屈なので、物思いに耽りながらペダルを踏む。そろそろ旅も終盤戦だ、考えなくてはいけないことはいくらでもある。
【今日のピクトさん】
ピクトさんは12人目の選手です。
料金所が出現。「自転車通行禁止の標識が無い」んだからこちらに落ち度は無いのだが（というかそもそも本当に禁止じゃない？）、なんとなくコソコソしてトラックの陰をすり抜けて料金所を通過。
その料金所を過ぎたところに屋台が出ていたので昼食。
ソーセージのサンドイッチ。ソーセージはちゃんとハーブの香りが効いていて美味しかった。2ユーロ。
午後も黙々と走る。午前中はいい天気だったが、昼頃から雲が出てきた。また、道もアップダウンが増えてきている。
再び料金所があり、ここでは呼び止められて何やら言われたが、結局何を言われているのか良くわからなかった。でもわざわざ呼び止められて何か言われるという事は、やっぱり高速は自転車走行禁止なんだろうな。
そうは思いつつも、距離を稼ぐためにしばらくは高速道路を走行。
目的地の手前で一度、ハイウェイパトロールに注意されたが、無事にKateriniという町に到着。ここからは高速道路を下りて、内陸へ進んでいく。
↓シエスタなのか、平日なのに閉まっている店が多い（15時頃）
この町のカルフールで買い物。この先に峠越えが待ち受けているので、重くならないように必要最低限の物だけを購入。買い物をしているあいだに雨が降ってきたが、通り雨のようだったのでしばらく待つ。
雨がやんでから山へ向かっていく。
↓ギリシャとトルコの戦争を描いた何かの看板。
この時点でもう夕方だったので、キャンプ地を探しながら進む。
河沿いにキャンプできそうな場所を見つけたが、ベストとはいえない場所なので悩む。これはいつものことなのだが、この先の道の状況がわからないから、キャンプ地の決定はなかなか難しい。このさき進んでみても良い場所が見つかるという保証は無いので、今ここで「とりあえずキャンプできる場所」を選んでおくか、それとも希望を持ってもっとよい場所を探して先に進むべきか。しかしもし先に進んだとして、キャンプ地がまったく見つからないという可能性も決して低くは無い。
そんなわけで、いつも「いまいちなキャンプ地」と「地図」を睨めて立ち往生するはめになる。
しかし、今日はそのすぐ近くに丘の上へ続く道が見つかった。その道に入ってみると良さそうなキャンプ地が見つかったので、そこにテントを張ることにする。
↓オリンポス山と思われる山塊
この先、標高1000mの峠が待っているので今日中にいくらかでも標高を稼いでおきたかったが、結局100mにも達せずにキャンプ。
夕食はいつものスープパスタに、テッサロニキの手前でもらったオリーブを入れてみたりして、楽しいキャンプ。見晴らしが良く危険も少なそうなキャンプ地なので、なんだかんだ今日は良いキャンプ地が見つかった。
【今日のビール】
今日は標高が稼げなかったので、明日は1000mの登りが待っている。果たして明日中に峠を越えられるのだろうか？
【走行データ】
走行距離：84km
総走行距離：12471km
