昨日の夜から雲が出始めていて、今日は予想通り曇り。まだ雨が降り出す気配は無いが、この先どうなるかは微妙なところ。
いつもどおり準備をして9時半頃に出発。
その峠を過ぎると大きな川があった。ここでキャンプも気持ち良さそう。
本流は茶色く濁っていたが、脇を流れる小川は綺麗な透き通った水だ。小魚もいて釣りをしたくなってくる。
ギリシャに入ってこんな綺麗な清流は初めてで、水源となるような山があるわけでも無さそうなのに不思議だなと思っていたら、その少し先に貯水池があった。ここから結構な水量の水が流れ出ている。湧き水かとも思ったが、池の周囲に地下水をくみ上げるポンプがいくつもあったので、湧き水というよりは「井戸水」であるようだった。それにしてもこんな量の水を汲み上げ続けて、地下水が枯れてしまったりしないのだろうか。
ギリシャの大地は石が多いイメージ。オリーブこそあるが、それ以外の農業にはあまり向かなさそうな土地だ。
この峠でなんだかんだ500m近く登らされ、昨日の峠越えで疲れが出ている身体には辛い。
そこから少しだけ下りがあったが、また100mほどの緩やかな登りが続き、14時ごろにDesketiという小さな町に着いた。カランバカまではまだ50km以上はあり、今日中の到着は微妙になってきた。宿の目星はつけているので日没過ぎまで走れば着けない事もないが、暗い中の走行は出来るだけ避けたい。それにそんなクタクタの状態でたどり着いて、翌日すぐにメテオラ観光というのもなかなかシンドそうだ。
そういうわけで、今日はできるだけ進んでおいてどこかでキャンプして、明日は早めにカランバカに着いてゆっくり休憩。メテオラ観光は明後日することにしよう。問題は天気だが、こればっかりは今は考えてもどうにもならない。
とりあえずまずは遅めの昼食。町の入り口にあった食堂で鶏胸肉のグリル。ポテトとパンがついて5ユーロ。味付けは塩とハーブだけの非常にシンプルなもので、それにチーズをベースにしたクリームが添えられる。美味しいく、値段も高くは無いが、2ユーロのギロピタのほうが食材の原価は高そうなのに、この価格の違いが微妙に腑に落ちない。
食事をしていると外にカップルのサイクリストがいると店の人が教えてくれた。しかし声をかけようと思って外に出たときにはもう走り去ってしまっていた。この道はマイナーなルートだと思っていたけれど、意外にいるものだな。
食べ終えてから店の人にスーパーの場所と、この先の道路状況を聞く。どうやらこの先はもう大きな登りはないそうだ。
余談だが、トルコにいるころは「ヨーロッパに入ったら今までより人がそっけなくなるんじゃないか」と少し心配していた。確かに今までのような無邪気なフレンドリーさは少なくなったが、それでも人々は概ね優しい。ここの店の人もあまり得意ではないらしい英語で丁寧に道を説明してくれたし、スーパーなんかで店員に尋ね事をしたりしても、笑顔で対応してくれることが多い。また、ドライバーがかなり気を遣ってくれるようになったと思う。挨拶をしてくれる人はそれほど多くは無いが、抜き去る時も減速して間隔をあけて抜いてくれる。
スーパーで買い物をしてから町を出る。するとすぐに100mほど一気に下り、しばらくすると登りに変わる。店の人が言っていたとおりこれは大した登りではなく、50m程登ったら後は下り坂だった。
静かな峠。風がなく、葉が擦れる音も、鳥のさえずりも聞こえない。
この先下る道が見える。夕方になってから日当たりの悪い暗い谷に下っていくのは少し憂鬱だ。
300mほど一気に下り川沿いの道になったところでキャンプ地を探し始めたら、今日はあっけなく良い場所が見つかった。草地でジメジメしていなく、日当たりも良さそう。こういう物件はなかなかありませんよ。
テントを立ててる途中で意外と道から見えてしまうことがわかったが、交通量もほとんど無いしまあ大丈夫だろう。
明るいうちに日記とブログの下書きを済ませてしまってから夕食。
明日の天気はどうだろう。まあ明日は最悪雨でもかまわないのだが、観光する明後日は晴れて欲しいところ。
【走行データ】
走行距離:54km
総走行距離:12595km