今回は大量の写真と共にお送りいたします。……選ぶのも大変だよまったく。
今日はいい天気。町の裏手の岩山が朝日に染まっている。
観光するなら早めに動いたほうが良い、のはわかっているのだが、やっぱりのんびりしてしまって出発したのは9時過ぎ。
カランバカからメテオラの各修道院までは数km離れていて、本来ならバスが出ているのだが冬季は運休中。タクシーでもいけるが、メテオラ最大の修道院であるメガロ・メテオロン修道院までが8ユーロくらいするらしい。まあそれくらい出してもいいのだが、歩いたほうが面白そうなので今回は徒歩で回ることにする。
なんて言って出発したものの、いざ登り始めると結構しんどい。高度差が300mほどあって、しかもあんな岩山にアプローチするのだから斜度も結構急だ。洒落っ気を出してジーンズで来た事を後悔する。
閉まってました。なんということでしょう。
どうやら修復中らしい。そら観光客がいないわけだ。
ここまで来るのに予想以上に疲れて、挙句にこの仕打ち。なんだかもう帰りたくなってきたが、帰るにしても結局は歩かなくてはならないので、気を取り直して他の修道院へ。
ここはちゃんと開いていた。しかしなにやら工事をしていて、命綱に繋がった作業員が岩を削っている。削られた石はどこかで受け止めるでもなく、崖の下に落ちるがまま。下にトレッキングルートがあったりしないんだろうか。
↓岩質は砂岩に小さな石が混ざったような感じで、カッパドキアよりもっと硬そうだ
入場料は3ユーロ。念のため、受付の人に他の修道院が開いているか聞いてみたが、メガロ・メテオロン以外は大丈夫だそうだ。
さっそく聖堂に入ってみると壁一面に描かれたフレスコ画に圧倒される。昨日行ったカランバカの教会もこんな感じだった。そうか、この辺はこういう様式なのか。
誰もいなかったのでバシバシと写真を撮ってしまった。ごめんなさい。
↓ 修道院へのアプローチ路
次の修道院へ移動する。ここからは普通の道を歩く。
↓メガロ・メテオロンとヴァルラーム、左下に見えるのはアギオス・ニコラオス修道院かな?
息抜きに、絶景を背負うには気の抜けた猫の表情をご覧ください。
岩壁を削って造られた狭い通路を登って修道院へアプローチする。
東方正教会の聖堂には立体像は置かれないらしい(偶像崇拝禁止の関係?)が、イコンに描かれた後光は少し盛り上がるように作られていて立体感がある。
修道院の建物自体はそれほど興味深いものでもない。いや、自分が知らないだけで、色々と特筆するべき点があるのかもしれないけれど。
まあそもそも、こんな岩山の上に修道院を建てたこと自体が驚くべきことなのだが。
全部の修道院は回っていないが、昼を過ぎて腹が減ったし、もう開館時間を過ぎているところもある。それに正直に言うとこう1日に何箇所も見て回るとどこも同じようで飽きてくるさすがに満腹になってくる。修道院見学を切り上げて下界へ下りることに。
ここからは再びトレッキングルート。
↓カランバカから向かう場合、トレッキングルートの入り口はこんな感じ
15時頃に町へ戻り、ギロピタとビールを買って遅い昼食。ひゃっほう。
味は、まあ、薄くて甘いアイスコーヒー?
ダラッと過ごしてあっという間に夕方。夕食は近くのタヴェルナへ。店の人にオススメを聞いてムサカを注文。茄子とひき肉が入ったグラタンのような感じ。茄子とクリームの食感が良く、美味い。
客はもう一組だけで、その客も店主もサッカーの試合中継に見入っている。ツーリスティックでお洒落なレストランより、こういう素朴な店の方が好きだな。
今日は良く歩いた。しかし、なんだか今回はあまり心に響かなかった。教会内の見学は面白かったが、こんな「絶景」といっても良い風景を前にしても、なぜかあまり感動しない。疲れていたし、明日からの移動(大きな峠越えがあり、しかも天気が崩れそう)に不安を抱いていたからかもしれない。これを書きながら写真を見返している時の方がむしろ風景に圧倒されているくらいだ。妙なものである。
まあ、長期の旅をしていると観光を楽しめなくなってしまうときもある。そういう時は宿でビールを飲みながらYoutubeでも見てグダグダと過ごす。せっかく旅をしているのにもったいない時間の使い方であるが、それが贅沢と言えないことも無い、かもしれない。