今日は予報どおりの良い天気。しかし気温はかなり低そうだ。この辺は路面の雪は解けていそうだが、標高を上げるとどうなるか。
そういえば今日は誕生日である。昨日まですっかり忘れていた。いやもちろん、2月に入った時点では「あー、もうすぐ誕生日か」と思い出していたのだが、自転車移動をしていると日付の感覚が薄れていくので、直前になるまで忘れていた。まあ誕生日であろうがなかろうが、なにしろとにかく走るのです。
ダラダラとしていたら出発は10時。5泊もしてしまったAeolic Starホテルだが、値段の割りにとても居心地が良かった。オススメです。
この先、Metsovoという町まで行く途中に1700m超の峠があり、今日中にそれを越えたいので早く出るつもりだったのだが……。ここカランバカの町が標高240m位だから1500m近く登らなくてはならないことになる。……越えられるかな。気温と雪が心配だ。
出発してからしばらくは山に挟まれた平地を川の上流に向かって走る。
11時ごろになって道は山道に。700m位まで一気に登り、そこからしばらくは尾根筋と平行に緩やかに登っていく道。気温は低いが登りになると汗をかいてくるので、いつものごとく汗冷えとの戦い。
ペースは悪くないが、昼まで走ってもまだ800mなので先は長い。時々村があってレストランも見かけるが、タイミングが合わなかったので昼食は手持ちの食料で適当に済ませる。
午後になって道が一旦100mほど下る。どうせまた後で取り戻さなければならない標高差なのでまったく嬉しくない下り坂だ。しかもこの時に限って向かい風が強烈で、下りなのに懸命に漕がないと前に進まない。まったく腹立たしいことだ。
14時を過ぎた頃から本格的な登りになる。一度下ってしまったのでここからまだ1000mも登らなければならない。時間的に厳しいかもしれない。
峠を越えた先のMetsovoには宿があることがわかっているのだが、もしそこにたどり着けないと途中でキャンプすることになる。道を外れるとどこも雪が残っているし、天気予報によると最低気温は-5℃以下に冷え込むはずだ。そんな環境でのキャンプはしんどいので、これはちょっと無理してでも町に着いておきたい。
そう思いながら1000mまで登った所で、高速道路の入り口と一般道の分岐点に着いた。高速は一般道よりも低いところを走っていて楽そうだったが、かなり長いトンネルがあって危なさそうだったので一般道を進むつもりだった。しかし、
なんとなく嫌な予感はしていたが……。ここからMetsovoまでは村も何もないようだから、手間を省いて除雪を入れなかったのだろう。
こうなったら仕方ない、高速を進むことにしよう。雪の残った峠を登るなんてアホらしすぎる。もし高速のトンネルが危なそうだったら、ヒッチハイクでもしてしまおう。
まあ実際問題、高速を走れるなら標高差も距離も少なくなるからかなり楽できるはずだ。そう思って走っていると山の中にまさかの料金所。車だって一般道が走れず高速道路しか選択肢が無いのにそこに料金所があって金取られるなんて、ちょっと酷いと思いませんか。それはそうと、止められたら嫌だな~。
と思ったが、止められたって関係ないじゃないか。元々選択肢はなかったし、もし次のインターで下りろと言われたとして、その次のインターがもうMetsovoだ。まさか引き返せといわれることもないだろう。
料金を払っているトラックの横を通り抜けたら、案の定止められた。高速道路はやはりダメということだったが、事情を説明したら、パトロールの車が来るからそれを待てと言われた。それに乗せてくれるのだろうか? それならそれで安全で楽だから良いかな。
しかし、結局そこから1時間も待たされてしまった。なぜか建物の中には入らせてくれず(保安上の問題のようだ)、風除けもない場所で、気温計は-3℃を表示している。
ダウンを着込んでもやはり身体を動かしてないと辛い。震えが止まらなくなってきてそろそろヤバイかも、というところでパトロールの車がやってきた。パトロール、というより高速道路の作業車だ。この車に自転車を積んでMetsovoまで移動する。インターで降ろされるのかと思ったら、町の入り口まで運んでくれた。ありがたい。
結果的に比較的楽にここまでたどり着いてしまった。しかし待たされたせいでもう17時過ぎだし、この寒さの中キャンプするのはもう嫌だ。素直に町で宿に入ることにする。
この町の宿は何軒か調べておいたが、町中は除雪がされておらず非常に走りにくい。石畳と雪というのは自転車にとっては最悪の組み合わせであることがわかった。中途半端に雪が残っていると、石の一つ一つに乗るたびにタイヤが滑ってハンドルが取られる。しかもこの町は山の斜面の途中にあり坂だらけで、所々完全に雪に覆われた坂道もある。そんな道、歩くのだって困難なのに重い自転車を押して移動するなんて不可能だ。
そんな状況なので一番アプローチしやすい宿に行く。値段を聞いたら30ユーロで、ネットで調べた値段と同じである。ここは値切っても安くならなかったが、移動するのは骨が折れるのでもうここで妥協する。でも30ユーロは高いなぁ。こんなんでこの先大丈夫だろうか。
↓シャワーが二つ付いている不思議な仕様ではありますが。
この町はどうやら観光地らしいのだが、何が目玉なのかよくわからない。近くにスキー場か史跡でもあるのか、それとも街自体が歴史あるものなのか。
スーパーで買い物をしてからシャワーと洗濯。そして自炊。この部屋の洗面台は水を溜める栓が付いていて洗濯がしやすい。セントラルヒーティングもあるから洗濯物もすぐ乾く。また、洗面所が広くてここで自炊できるから良い。これは長期滞在できるな。まあ明日には出ますが。
ここまでくるとアルバニアまではあと2日の距離。明日はどこまで進もう。節約のためにキャンプか、情報収集のためにホテルに泊まるか。悩ましいところだ。
誕生日のことを朝に思い出して以来すっかり忘れて夜を迎えた。折角だから何か美味しいものでも食べようかと思っていたけど、いつもと代わり映えしない一日を送ってしまった。
まあいいか。
【走行データ】
走行距離:51km
総走行距離:12696km
夜の街の様子が幻想的で素敵。走るにゃ辛いだろうけれども…
街の雰囲気は悪くなかったです
誕生日おめでとう\(^^)/
雪があると、とても寒そうですね!
日本は梅がさいてきましたよ。
花粉症にも辛い季節ですが(*_*)
ありがとうございます!
花粉症辛いですね。
こっちにいれば無縁!と思いきや、最近なんだか鼻がムズムズしています。