朝の気温は0℃前後だろうか。そこそこ冷え込んだ。最近は日中は15℃位までは上がるので、朝晩の寒暖の差が激しい。
朝食は長崎ちゃんぽん。フフ、たまりませんな。でもこれで日本のインスタントラーメンは残り一つとなってしまった。寂しい限りだ。
日が昇ると気温は一気に上がる。結露していたテントも、強い日差しのおかげですぐに乾くから助かる。出発は9時。昨日吹いていた強い北風は今はやんでいる。
少し進むと湖を突っ切るようにして造られている道になる。橋ではなくて堤防のようになっていて、左右が湖。
サイクリスト向けの距離表示看板。
湖を過ぎると峠越えが待っている。確か800m程の登りのはずだが、地図を見ると途中から道が分かれてトンネルもある。800mも登りたくないのでそのトンネルへ向かう。
しかしここでまさかのゲート。かなり長いトンネルだから自転車通行禁止は予想していたが、ゲートまであるとは。ここまで既に150mくらい登ってきていて戻るのは嫌なので、素知らぬ顔でゲートを通過したらやっぱり止められた。「引き返すか、ヒッチハイクをしてくれ」とのこと。
そうか、ヒッチハイクね。ギリシャの高速で強制的に車に乗せられたときから「自走」に対するこだわりはかなり薄れたので、もうそれでも良いかと思う。
しかし結局、30分くらい待ってみたが捕まらず。1台だけ止まってくれたバンがあったが、荷物が満載されていて自転車は運べなかった。このまま次の車を待ってもいいが、もう引き返そう。
30分かけて登った道を快調に下って10分で戻り、別の道を登り始める。トンネルを通ることを前提にして今日中にコトル(kotor)という町に着く予定だったが、この調子だと無理そうだ。
予定外の登りにやる気は起きないが、体の調子は悪くない。景色を眺めながらぼちぼちのペースで進む。
交通事故で亡くなった人の碑。ギリシャのようなミニ教会は見なくなったが、こういうのはまだ良く見る。そういえばカザフスタンにもあったな。
2時間半くらいかけて頂上へ。嬉しい誤算で標高は650m程度。予想より登らなくて澄んだ。
アルバニアのドゥラスもアドリア海に面した町だが、あの時は海岸までは行かなかったので、アドリア海とマトモに対面したのはこれが初だ。眼下に長く続く坂を下っていく。
一気に標高を下げて海沿いの道へ。海沿いと言っても山が近くまで迫ってきているので、道はアップダウンが続く。予想通りではあるが、道幅は狭いし交通量も多くて疲れる。
夕方にBudvaという町に着く。ここからコトルまでは30km位だろうか? 大した距離ではないが、やはり日没までにはたどり着けないので無理せずキャンプすることに。スーパーで買出しを済ませる。
アルバニアのスーパーではインスタント麺を見かけなかったのでモンテネグロはどうかなと思ったが、ここにも無い。もう一軒別のスーパーも覗いてみたがやはり無い。仕方ないので朝食用にパンとハムを購入。
でも日本食材はおいてあった。
スーパーを出ると日没までもうあまり時間が無かった。地図によると少し先にキャンプ場があるようなので、営業してるかは判らないがそこに行ってみることに。
町を出るときにも100mくらいの登りがありうんざりしたが、どうにかそのキャンプ場にたどり着く。しかし予想通り営業していない。
ビーチが近くにあったが、そちらは意外と人がいてキャンプするには落ち着かない。
仕方ないので別の場所を探す。近くのGSがキャンプできそうなのを確認しておいて、でも気楽なキャンプ地を目指して少し先に進む。しかし結局キャンプ地は見つからず、引き返してGSにテントを張らせてもらうことに。
GSキャンプはトルコ以来の2回目だが、ここでもあっさり許してくれる。しかしガソリンタンクの近くに案内されたので「調理で火を使うんだけど……」と伝えたら、「火はダメ!」とのこと。敷地の端っこのほうで調理するからと言ってもやはりダメ。まあ立場上OKとは言えないだろう。
実際にはそれほど危険があるようには思えないのでこっそり調理してしまってもよかったのだが、まあ今日はパンもあるからいいか。そのかわりお湯をもらってインスタントスープを作って夕食にする。
調理をしないと食事が物足りないが、時間には余裕が出る。そう思ってノンビリしていたらいつの間にか寝てしまっていた。
【走行データ】
走行距離:80km
総走行距離:13320km