今朝は昨日より冷え込んだ。テント内で0℃。
自炊が出来ないのでまたお湯をもらって、昨日と同じようにインスタントスープとパンとハムで朝食。体が温まらない……。
寒くて動く気にならず、日が差すのを待って準備開始。テントを畳んでいたら近所の子供がやって来て見学していた。手伝ってくれようとしたりしてなかなか良い子たちで、準備を終えたときにお菓子をあげようとしたが「いらない」と断られた。遠慮深いなと思っていたら、かわりに「マネー」と言われてしまった。それでもこの子達からは悪い雰囲気は感じない。
お金はあげなかったけれど、その代わりと言うか、GSのスタッフが2人を手招きして商品のお菓子をあげていた。
出発は9時半。世界遺産に登録されている町・コトルまではもう大した距離ではない。
1時間ほど走ってコトル手前にある峠の麓に着く。ここからは普通の峠越えの道とトンネルの道があるが、今日は最初から峠越えを選ぶ。標高は200m程で大したこと無さそうだったし、なにより高いところからコトルの街並みを見てみたい。
標高差は大したことないが、えぐい斜度の坂道が続き予想外に苦労した。それでも200mを一気に登りきり山の反対側へ。
ここからはフィヨルドのように深く内陸に入り込んだ入江と、その両側に迫る急峻な山、そしてその山を背にして立つコトルの街並みがみえる。
峠を下り、旧市街にある宿へ向かう。旧市街(城壁内)には車は入れず、狭い路地を自転車を押して進んでいく。
城壁の入り口には泉があって、綺麗な水がこんこんと湧き出していた。
いくつかピックアップしといた宿のうち一番近いところを覗いてみたら悪く無さそうだったのですぐに決めてしまう。Old Town Hostel、ドミが9ユーロ、ベッド毎にコンセント・ライト・カーテンが付き、清潔、大きなロッカーもある。共用キッチンも有り。
まずはシャワーを浴びて一息ついてから観光へ。
このコトルの町はキリスト教のカトリックと東方正教会の領域の境目であるらしいので、両方の教会を見比べようと思っていた。しかしこの町のメインのカトリックの大聖堂はなぜか中に入れなかった。
内装は結構シンプル。イコンというのだろうか? 聖書における出来事や人物を描いたと思われる絵が多く飾られているが、像のような物は無い。しかし一部の人物の画には金属板を板金して作ったらしい立体的な装飾が施されている。
ここは写真撮影もOKだった。
さらにまた別の教会。内装の様式がかなり異なる。こちらはカトリック教会なのだろうか。
コトルの街は細い路地が入り組んでいて歩いているだけでも結構楽しい。簡単に歩いてぐるっと一周できてしまうコンパクトな町で、オフシーズンらしく観光客も少なくて落ち着ける雰囲気。
反対側の城門の外にも水が湧き出て出来た川がある。これだけ湧き水が多いとコトル湾の塩分濃度は外海より低かったりするのだろうか。
猫も結構いるが、みんな意外と警戒心が強くて撫でさせてくれない。
散歩ついでに買い物を済ませてからいったん宿へ戻り、ブログの下書き等を済ませる。そしてビール。
【今日のビール】
夜になってから宿の人に聞いたオススメの食堂へ。ショーケースに並んだ味付けされた肉を選んでその場で焼いてもらう。
店の席が埋まっていたのでテイクアウトを選んだが、肉が焼きあがるのを待つ間スーパーでビールを買ってから戻ってくると席が空いていた。店の人が「ここで食べてけば?」と言うのでそうすることにする。持ち込んだビールもここで飲んで問題ないとのこと。
豚肉とソーセージとレバー。全体的に少し焼き過ぎな気はしたが、どれも美味しい。特にレバーは生で食べたときのような甘味が残っていて美味しかった。サラダとパンを付けて5.5ユーロは結構安いと思う。
黙々と食べていたら同室のトルコ人の旅行者がやって来たので、一緒に食べることに。彼はイスケンデルン出身らしい。
そのまま二人で宿に戻り、共有スペースでお茶を飲みながら次の目的地・ドゥブロヴニクの宿情報を調べる。
当初はこのKotorで休息日にするつもりだったが、明日には出発することにした。ここはそれほど見所が多いわけでは無いが、ノンビリとした空気が嫌いでは無いので出発するのは少し惜しいが、明日を逃すとその先天気が崩れそうである。新年以降ずるずると引きずっているだらけモードに負けないように動けるうちに動いたほうがいいだろう。それにドゥブロヴニクまでは1日の距離で、そこでもまた観光で2泊はするつもりなので、ここであまりゆっくりしていても全然先に進めなくなってしまう。
もちろんドゥブロヴニクで雨に閉じ込められる可能性もあって、その場合は宿代がここよりも高そうなのでそれはそれで痛手なのだが、それはまたその時に考えよう。
なんだかんだであっという間にモンテネグロ最後の夜ということになりそうだ。
【走行距離】
走行距離:22km
総走行距離:13341km