昨夜はいまいち熟睡できなかった。あまり冷え込まなかったから、着込みすぎて少し暑かったせいかもしれない。
いつもどおり準備を進めるが、カラッと乾燥した場所のわりにはテントの結露があるので、それを雑巾で拭いて完全に乾くのを待つために仕方なく二度寝。仕方なくですよ、ええ。
出発は9時半。ここからスプリットという町までは下り道。
海沿いまで下りスプリットの近くに着くが、この町はスルー。今日は少し先のトロギルという町まで行って午後は観光する予定。
交差点で曲がってトロギル方面の道に入ったらいきなり自動車専用道で、路肩は狭いし車はガンガン飛ばしてるしで危ない道。さっさと下道に出ようと思いながら走っていると、パトカーに止められて「次のインターで出なさい」とのこと。言われなくてもそうするわ。
↓町外れになにやら遺跡が
しかしその下道も舗装が悪いうえに路肩が狭く、しかも風景もつまらないという、なんとも走り甲斐のない道。幸い風向きは追い風気味なので、こうなったらもう黙々と漕いで先に進む。
そんなわけで一気にトロギルに到着。トロギルの旧市街は本土とチオヴォ島に挟まれた小さな島にあり、世界遺産にも指定されている。まあ島といっても本土とは狭い水路をはさんでいるだけなので、短い橋を渡るだけで旧市街に入れる。ここでは聖ロヴロ大聖堂というところを見てみたいのだが、そこの開館時間が冬季は12時までのようなので急いで向かう。
11時45分に聖ロヴロ大聖堂に到着し、滑り込むようにして見学する。
この柱を支える人たちはアラブ人やユダヤ人の“異教徒”であるそうだ。偏見かもしれないけど、これ見よがしというか、露骨というか、他宗教に対して不寛容というか……。
時間になって係りの人(アルバイトっぽい若い女性)に「私もう行かないといけないから」と追い出されてあっという間に見学終了。じっくり見学できなくて残念だけど、この終業時間に対する貪欲さは少し微笑ましいとさえ思える。日本とは違うよな。
外に出ると雨が降り出していた。今日はどちらにしろここに宿を取って街中を観光するつもりなので、さっさと目当ての宿に移動する。
ネットであらかじめ調べておいた宿に向かうが、細い路地が入り組んだ街は迷路のようで、手持ちの地図も正確じゃないし、石造りの建物に囲まれると電波が乱反射するのかGPSでも正確な位置がわからなくなる。
ふらふらと路地をさまよってやっと目当ての宿に着くが、呼んでも誰も出てこない。宿と言ってもホテルではなくプライベート・ルーム(個人宅の空き部屋を貸す)のような雰囲気なので、オフシーズンは予約でも入らない限りは閉めているのだろう。
仕方ないので別の場所を探す。ここは宿自体は沢山あるので何軒か聞いて回る。
1軒目は50ユーロだったので論外。2軒目のプライベート・ルーム(この辺ではSOBEという看板が出ている)で30ユーロ。
30ユーロでも高いので渋っていると、英語の達者な宿のおばちゃんが「これでも安いほうなのよ。世界遺産に登録されてから色々と修理したりしてコストがかかってるんだから!」と言う。
なるほど、でも「それはわかるけど、こっちとしても貧乏旅行者だから30ユーロは高いんだよ」というと、結局20ユーロに負けてくれた。なかなか優しい。ありがたいことだ。
とりあえず近くのパン屋でピザとビールを買ってきて昼食にし、シャワーと洗濯を済ませる。
街歩きに出るころもまだ雨が降っていた。傘をさしながらブラブラと散歩をする。
コトル(モンテネグロ)とドゥブロヴニクを見てきたから、それほどの新鮮味は無い。しかし、雨のせいもあってか観光客は少なめだし、街も小さいので落ち着いた雰囲気だ。
スーパーで買い物をしてから宿へ戻る。
夜になってから再び外出。夕食は散歩の時に目をつけておいたレストランに行ってみるが、いざ入ってみるとピザしか扱って無いらしい。表の写真にはリゾットとかスパゲッティがあったのでそれを目当てにしたのだが、それが無いならやめよう。ピザはイタリアで食べよう(昼間に食ったけど)。
他はどこも高そうなレストランばかりだったので、しかたなくファストフードのスタンドへ。そこでチェヴァピのサンドイッチを注文。これはこの前モスタルで食べたチェヴァプチチと同系統の食べ物だな。まあこれはこれでローカルフードだから良いか。
直径15cm位のパンにチェヴァピが7個入って30クーナ。ボリュームは結構あるし美味しいけれど、約540円だから決して安くは無い。
夜になっても雨が降り続いている。天気予報だと明日は晴れだが、大丈夫だろうか。
【走行データ】
走行距離:34km
総走行距離:13750km