朝になっても強風が吹き続けていた。
いつも通り準備するが、とても自転車を漕ぎ出す気にならないほどの強い風なのでしばらく様子見をする。このまま風がやまなければ延泊するか、なんて考えながら10時半まで寝る。
二度寝から起きても風は弱まる気配を見せていなかったが、やはり出発することにした。このまま延泊するにしても一度は買出しに出かけなくてはならないし、それなら荷物をまとめて少しでも進んでおいたほうが良い。
風にあおられてテントを畳むのに少し苦労し、12時ごろにようやく出発。
走り出すと意外と普通に漕げる。風向きは横風寄りで、時々煽られてよろけたりはするものの、クネクネとした海岸線に沿って走っていると向かい風になったり追い風になったりと頻繁に変化する。
ビールを飲みたい気分だったが、ノンアルコール・ビールのようなものを購入。それにしても、イタリアもそうだったがスーパーには冷えた飲み物があまり置いていない。置いてあってもやたら高かったりして(500ccのジュースが1.9ユーロだった)あまり買う気にならない。おかげでなかなか冷えたビールにありつくことができない。
スーパーの近くの公園でサンドイッチを食べる。ノンアルコール・ビールと思って買ったものはなにか別のものらしく、甘くて薬のような味がしてあまり美味しくなかった。これも1.9ユーロ。
サント=マキシムという町に着いたが相変わらずのリゾート感なのでスルー。もう飽きました。
しばらくすると道は海沿いを離れる。低い山に囲まれた道は極々普通の風景だけれど、リゾートの浮かれた雰囲気に嫌気が差していたのでホッとする。
小さな村にスーパーがあったので我慢できずに冷えたビールを買い、近くの公園で休憩。今日はもういいのだ、頑張らなくて。あの強風の中出発しただけでも十分、もうさっさとキャンプ地を決めてしまおう。
休憩していた公園がキャンプしたら気持ち良さそうだったが、さすがに民家が近すぎたので少し進む。でも今日は冷えたビールに気持ちが切り替わってしまったので、村の近くでキャンプ地探し。
2km程進んだところに道路から隠れられる草むらを見つけたのでそこでキャンプ。近くには牧場があるのでここにも家畜が来るのか所々に牛糞が落ちているが、乾燥しているので靴で蹴り飛ばしてテントを張るスペースを確保する。
荷物を降ろしたら空荷の自転車でさっきのスーパーに戻ってビールと夕食用の缶詰を購入。いつも以上に頑張って自転車を漕いでさっさとテントへ戻り、
おじいさんはおもむろに川へ水くみに。
川の水でビールとワインを冷やすの図。清流といえるほど綺麗な川ではなかったが、まあ飲み物を冷やすくらいなら問題ないだろう。
【今日のビール】+ワイン
先に日記を書いてしまって、まだ明るいうちに夕食を調理し始める。今夜はスーパーで買ったソーセージと豆の煮込みの缶詰。
明るいうちからビールを飲んで、コトコトと鍋を火にかけてると、とてもリラックスして幸せな気持ちになる。気持ちのいいキャンプ地と美味しい食事が最終的に手に入りさえすれば、それだけでその日は良い一日。
見た目はアレだけどなかなか美味しいしボリュームもある。
夕暮れの空を眺めながら夕食を済ませ、日記を最後まで書いてから就寝。