4/6 Frontignan手前でキャンプ→Beziers通過後キャンプ (77km)

 
「さっきの公園よりはよっぽど安全そう」、そう思ってここにテントを張った。
 
 
 
夜中の1時に酔っ払いがやってきた。
 
 
 
ブログの下書きを書き終えて、寝袋に包まってウトウトしていると車の音が聞こえてきた。まさかこんな夜中に人が来るとは思わなかったのでびっくりしていると、ヘッドライトでテントを照らされ、そのうえ石を投げつけられた。若い男の笑い声が聞こえる。完全に悪ふざけのノリで、たちの悪いパターンだ。

仕方ないので外に出る。そこには三菱パジェロと3人の若い男がいた。案の定というか、酒の瓶を持って酔っ払っているようで、夜のドライブにでも出ていたのだろう。何でわざわざこんなトレイルを走るんだ。

英語が通じない上に酔っ払いという限りなく面倒な感じだったが、それ以上手を出してくるという事は無かったし、比較的冷静だった一人が「ノープロブレム」(「ごめんごめん、問題ないからテントに戻ってくれ」的なニュアンスだった)と言って他の二人を車に押し込んで去っていった。石を投げつけといてなにが「ノープロブレム」だと思ったが、まあ何事もなくて良かった。

テントを出るときにはアーミーナイフをポケットに忍ばせていた。物騒な話だが、何も対策をとらないわけにもいかない。使うことがなくて本当に良かった。
 
 
暗くなってしまえば安全と思っていた林道だったが、まさかこんな目に遭うなんて、ついてないとしか言いようが無い。

ヨーロッパに入るにあたっての不安はこういうところだった。先進国になるほど「若い男」に警戒しなければならない。生活が豊かになり先進的になると、若い男から素朴さが無くなり、わけの分からない犯罪を犯したりする傾向にあるように思う。例えば「オヤジ狩り」だったりホームレスに暴行したり、一種の愉快犯的な行為だ。

野生動物やお化けよりも、本当に怖いのは生きた人間だ。
 
 
 
その後は爆睡したものの、いまいち疲れの取れないまま朝を迎える。

少し寒いが、テントの結露は無い。ぼちぼちと準備をして、10時前に出発。

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走り出してすぐのFrontignanという町のスーパーが開いていた。イースター休暇で閉まっていることを覚悟したが、意外と営業しているようだ。しかし看板には「6日月曜日も営業してます!」的な張り紙がしてあったので、やっぱり今日は祝日扱いで普通の店は閉まってることが多そうだ。

ここで今のうちにキャンプに備えて食料と水分を補給。それと昼食用のパンも買っておく。
 
 
 
そこからすぐ隣のSeteという町を通過。運河、というか細長い港がある。小樽のようなイメージ。

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しばらくは爽やかなビーチが続く。

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ビーチの終わりで朝に買っておいたパンで昼食。ビールを飲みたい気分だが、北よりの風が強くてちょっと肌寒い。

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サイクリングロードを走ってAgdeという町へ。ここでもスーパーへ寄る。さっきのパンだけでは物足りなかったので、追加のサンドイッチと冷えたビールを購入。

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町外れまで移動したところで運河があったので、その川岸に座って2度目の昼食。ここは風も無くポカポカと暖かい。

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食べている途中でボートが横切った。休暇中らしい男性がこちらに手を振ってくれる。対岸では犬を連れた夫婦が散歩をしていた。長閑だ。
 
 
 
午後から風向きが変わる。今まで北西の風だったのに、いきなり南西の風に。向かい風だ。

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Beziersという町に着く。ここはスルーしたが、途中で立派な教会らしき建物が見えた。特に見学とかはしなかったけど、丘の上に立つ堅牢な建物は見ごたえがある。町に流れる川にかかる橋も古くて立派。

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Beziersを出て坂(河岸段丘だ)を登ると、丘の上に川が流れている。さっき渡った川よりもかなり高い位置に流れていて、Beziersの丘と同じくらいの高さだ。自然の川としては明らかに不自然な高低差で、すぐにこれは運河だと気付く。

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地図を見るとすぐ近くに船用のエレベーター(閘門)があるようなので、ちょっと寄り道してみる。

川沿いの細い道を行くとすぐに水門が見えてきた。これで高低差のある運河を船が通行できるようにしているのだ。

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8段くらいある水門は1段ごとに2mほど高度を上げて丘の上の運河まで続く。

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水門の開け閉めは船に乗る人たちが協力してやっているようだ。

いやぁ、なかなか面白いものを見れてよかった。確かにヨーロッパは運河のイメージもあるものな。
 
 
 
道はなだらかな丘陵地帯を進む。時間は17時過ぎ。日没まではまだかなり時間があり、走行距離もあまり伸びていないが、昨夜の教訓も含めて早めにキャンプ地探しを始める。

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18時ごろになって畑の中にある草地を見つけた。テントはあまり隠れていないが、メインルートや農道からは少し離れているから大丈夫だろう。昨夜は林道のすぐ脇だったから夜でも車に見つかってしまったが、今日は恐らく大丈夫なはず。

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まったく、こんなに気を遣わなければいけないなんて……。
 
 
 
19時前だとまだかなり日が高いので、日向に張ったテントの中は結構暑い。キャンプって実は「少し寒い」くらいが過ごしやすいかも。多少の寒さなら着込んで対応できるけど、暑いのはどうにもならない。

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明るいうちに夕食。タマネギとトマトとニンニク、さらにタンパク源としてサラミを入れたスープを作りそこにスパゲッティを短く折って入れて煮込む。まあつまりいつも通りのスープスパゲッティ。流石に飽きてきたが、食材の運搬や調理が楽なのでやめられない。
 
 
【今日のビール】

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「8.6」。その名の通りアルコール度数8.6%。フランスに入ってよく見るビールだが、フランス産ではなくオランダ産。結構度数が高いが、ある程度冷やしてちゃんとグラスに注いで飲めば美味しそう。”Blond Beer”とあるが色はわからず。エールなのかな。
 
 
 
今日もほろ酔いキャンプ。キャンプ中に酒を飲むことの良い点の一つは、誰にも迷惑をかける心配がないことだ。

さて、今夜は何事もないと良いが。
 
 
 
【走行データ】
走行距離:77km
総走行距離:15570km
 

カテゴリー: ビール, フランス(France) タグ: , , パーマリンク

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