8時ごろに起きて昨日屋上に干しておいた洗濯物を取りに行ったら、サポートタイツに鳥の糞が付いていた。ウンが付いてラッキーだねクソッタレ。
料金に込みの朝食はパンとシリアル。ヨーロッパだとこれが定番のようだ。
調べ事をしたり準備をしたりして、10時過ぎに観光に出かける。
大聖堂と教会の二つが隣り合って存在する意味とか、よくわからん。
大聖堂は無料で入れるが、それだと入り口付近の限られた場所しか見られないので、奥まで見られるように5ユーロ払って入場。音声解説の機器が無料で借りられて、日本語のもあったのでそれを借りる。やっぱりただ見るだけと、説明を聞きながら見るのとでは得られるものが違う。
ゴシック様式と新ロマネスク様式が混在する聖堂内、だそうだ。
誰かの聖遺物。その誰の物なのかが一番肝心な部分だけど、忘れた。
思った以上にボリュームがあって満足の大聖堂。その次は市場へ向かって歩く。
バルセロナで見た市場よりはローカルな感じがして良い。でもこちらの方が面積は広いか?
ここで我慢できずにバレンシア産のカキを食べる。1個3ユーロと高いが、味はとても良かった。大粒で臭みが無く、適度に締まった食感で美味。財政上の理由で2個しか食べなかったけど。「2個ちょうだい」って言ったら「(2個だけ?)」みたいな目で見られたけど良いのだ。
市場からの帰りに品揃えの良さそうな自転車屋を見つけたので入ってみる。シュワルベのマラソンプラスがあるか聞いてみたが、今は在庫切れで来週にならないと入荷しないそうだ。惜しい。
タイヤは諦めて、4.9ユーロでチェーンオイルを購入。
旧市街の入り口にあるセラーノスの塔の近くの店で昼食。パエリヤとビール。
味は、アルデンテすぎるというか、単純に芯が残ってるというか、歯ごたえのあるパエリヤだった。やっぱり本場とはいえちゃんとした店に入らないと美味しいパエリヤには出会えなさそう。
食後はバレンシア美術館へ。ここは展示の中にスペイン出身の印象派画家Joaquín Sorollaの絵があって、しかも無料で見られるということなので行ってみた。
この画家の事は知らなかったけれどいくつか気に入った絵があった。
この絵は人の部分にさす光と馬の動きが美しく、しばらく眺めていた。写真禁止ではないようだったので撮ってみたが、写してしまうと絵の美しさが全く伝わらないことに驚く。
しかしちょうど中学生か高校生の課外授業の団体と重なってしまい、とてもうるさい。彼らが去るのを待って、静かになってから落ち着いて見学。
ここには他にも宗教画や中世の絵があって見ごたえがあった。これで無料なのだから嬉しい。
美術館を出て、スーパーで買い物をしてから宿へ戻る。
ブログを少しだけ更新して(もう2ヶ月も遅れてる)、19時ごろに再び町へ。夕食は宿で自炊するとして、その前にバルで一杯ひっかけるのだ。
途中で見つけた本屋で今更ながらスペインの地図を購入し、近くのバルに入ってビールとタコのトマト煮を注文。小さなタコはとても軟らかく煮込まれていて、食感がよく美味しかった。
バルでビールを飲みながら地図を眺めるというのもシアワセな時間だ。スペインはイタリアやフランスに比べ気負わずに入れる店が多いので助かる(あくまで比較的には、ということだけど)。値段も少し安いし。
宿に戻ってパンと生ハムで軽い夕食。食堂でネットをしながら食べていると、まわりは結構賑わってきた。
ヨーロッパに入ってから、ホステルは「旅人が集まる場所」というよりはただの「若い旅行者が利用する安い宿」という雰囲気になってきた。アジアのホステルでは「おおっ」と驚くような旅をする人と出会ったものだけど、最近はみんな友達とわいわい楽しく泊まりに来たという感じの人が多い。ヨーロッパは見所が多く、また分散しているので、例えば中央アジアのように旅人が集まりにくいのもあるだろう。もちろん、それはそれでかまわないし特に文句があるわけでもないが、しかし一方でそれはあまり刺激があるものでもない。周りの人々が日常の合間に息抜きに来ているのを、こちらは日常から切り離されたところから遠巻きに眺めているような気分だ。一人で静かに休息をとり、黙ってまた走り出す。
ヨーロッパの一人旅は孤独で辛い、と時々日本人旅行者から聞いていて、確かにそう感じることも多い。しかし今となってはそれはそれで面白い。ルーチン(日常)から切り離された立場は孤独であり、また自由でもある。その立場に立つと、今まで働いていた身としては最初こそ焦燥感を覚えるが、次第に世界の流れは緩やかに感じられてくる。都心の交通ラッシュの上でも雲はゆっくりと流れるし、太陽はじわじわと西へ動き影は長くなっていくのだ。
明日からグラナダに向けて走る。距離は500km弱ありそうで、途中に1000m超の山越えもあるのでなかなか大変そうだけれど、スペイン内陸部の自然がどういう風なのか楽しみだ。