いつもどおり準備して10時に出発。
町を出るとすぐに登りはじめる。高速の入り口に辿り着くまでに100mくらいの登り。
道路の下には廃線跡を利用した道もあるが、自転車で走るには少し砂利が深そう。
高速は自転車走行禁止。しかし昨日地図を見ていたら側道があるようだ。いつも使っているスマホの地図アプリのMaps.meには載っていないが、Googleマップで見ると細い側道がしばらく続いているので、どうにか進めそうだった。
しかし実際にその側道を見てみると未舗装。しかも大して整備されていない、完全に農道といった雰囲気の未舗装具合だ。これはちょっと走る気にならないので、結局高速に侵入。
高速に入ってからも登りが続き、1100m位まで標高を上げる。そこから先は高原地帯のようで緩やかな起伏が広がっている。
しばらくは順調に進むが、いつパトカーに止められるかとビクビクしながらの走行。そうしたら案の定、道路管理の車に止められて「走っちゃダメ」と注意された。その車は「次の出口で下りるように」と言って走り去ってしまったので、無視してそのまま走行を続ける。
まだまだ先は長いのに、走行20kmで早速止められてしまった。これではこのままグラナダまで行くのは無理がありそう。せめて中間地点に位置するGuadixという町まではなんとか辿り着きたい。そこまで行けば高速とは別の道でグラナダまでいけそうなのだ。
しかし結局、その後すぐに今度は警察のパトカーに止められてしまい、高速から追い出されてしまった。もう側道を使ってGuadixまで行くしかないようだ。
未舗装路を少し進むと舗装路に変わって一瞬は喜んだものの、すぐにまた未舗装路に戻ってしまった。
時々現れる舗装路は、高速が出来る前までは存在した一般道の跡だ。一般道もそのまま残しておいてくれれば良かったのに……。
高速は緩やかに標高を上げていくが、側道は小さな川が削った谷があるごとに凶悪なアップダウンを繰り返す。ペースは上がらないし疲れは溜まるし、なにしろやる気がなくなってしまった。このままだと今日中のグラナダ到着は厳しそう。
側道は一旦高速のそばを離れ、大きな谷を迂回するように走る。谷にはGorという村があって、ここは景色が綺麗だった。谷底には綺麗な沢も流れている。
【今日のピクトさん】
伝説のマタドール、ピクト。
かつての鉄橋の土台らしきものが残っている。
この辺は牛も多い。昨夜のレストランでステーキを勧められるわけだ。
1250m程まで標高を上げ、そこから徐々に下り始める。恐らくこの先のGuadixまで下って、そこからグラナダまでの間に再び山場があるはずだ。
下りであれば未舗装も結構楽しめる。というかもはやグラナダ到着は諦めかけているので、もう楽しまないとやっていられない。
しかしGuadixに近づくにつれ道は複雑になり、地図で確認しながら進む。
この道はもう完全にオリーブ畑の中で、トラクターの轍を頼りに進む。Googleマップはなぜここを道として表記したのか。
Guadixの前後には侵食で出来た急な崖がある。削れやすい地質なのだろう、カッパドキアにも似た地形だ。
この下りはMTBで下ったらさぞかし楽しそうだが、荷物満載のランドナーでは若干無理がある。重い車体、効かないブレーキ（カンチブレーキなので）、幅の狭いドロップハンドル、舗装路用に空気圧を高めたカチカチのセミスリックタイヤ。サスペンション？ 聞いたことないなぁ。
でも膝と腕でショックを吸収して路面のギャップをやり過ごし、後ろ加重にしつつフロントのスリップダウンに気をつけながら慎重に下っていくのは、これはこれで面白い。
谷底まで下ると川の跡に出る。水の枯れた川底は砂がたまっていてここも走りにくい。
こんなところにも人が住んでいて、崖を利用した洞窟住居がいくつもある。
Guadixの町に到着。ここにも大聖堂がある。
時刻はもう16時過ぎ。今日中のグラナダ到着はあきらめる。
それならそれで今夜はキャンプをするか、安宿を探すか。とりあえずWifiを探して情報収集しようと思い数件のバルに聞いてみるが、どこもWifiは無かった。GSのカフェでWifiの場所を聞いてみたら、どこか他の場所を親切に教えてくれたが、面倒になったので諦める。かわりにそこでビールを一杯。タパスに小さなハンバーガーがついてきて1.5ユーロ。
スーパーで買い物をしてから先に進む。この先にも小さな町があって、そこで安宿があれば良し。無ければさらに進んでキャンプしよう。
Purullenaの町に着いて宿を探すと、20ユーロでオスタルがあった。よし、今夜はもうここに泊まってしまおう。
ブログでも書こうかと思ったが、Wifiがあるはずなのにネットに繋がらない。宿の管理人に聞こうとしたが、オフシーズンは片手間で営業しているらしく、どこを探しても見つからない。ネットが使えないとなると途端に20ユーロが高く感じてくる。
仕方ないので町を少し散策。
Purullenaはこの独特の地形から観光地になっているらしい。しかし観光客はそれほどいなくて、普通の日常生活が見られる。
スーパーで買い物をして帰り、部屋で夕食を作る。ネットが出来ないとビールを飲むくらいしかやることがないので、たらふく飲んで寝てしまった。
【走行データ】
走行距離：66km
総走行距離：16752km
