たった一日観光しただけでここを去るのは惜しい気がしてダラダラと準備する。でも今後の日程にあまり余裕は無いので進んでおいた方が良いだろう。ネット作業を少ししてから11時に出発。
このAl-Katreホステルはメスキータのすぐ近くにあり、建物はこの辺りの伝統的な造り。スタッフのおばちゃんは若者向けのホステルっぽくない普通の感じで、それが逆に落ち着けた。ドミトリーも結局最後まで一人で使えたし。
今日明日はかなり暑くなるようで、最高気温は30度前後。今日から、普段はいているサポートタイツを夏用の薄手のものに変えた。
順調なペースで漕いで町を出る。少し追い風か下り坂なのかもしれない。
延々と続く農地の中を行く道。この調子が続くと今夜のキャンプ地探しは大変そうだ。
町は幹線道路から少し外れるところにあったが、昼食も買い出さなければいけなかったのでちょっとよってみる。
しかしこの町ではとんでもない坂が待ち受けていた。ギアを一番軽くして、立ち漕ぎでどうにか上りきって町の中心に辿り着くが、大した店はなく、小さなパン屋でパンとハムを買って町を出る。
町を出るのにもまた坂を登らされた。
食料は買ったけれど冷たい飲み物が欲しいところ。GSでもないかなと走り続けていると結局隣町についてしまった。ここで冷たいビールを買って、しばらく走ったところの脇道で昼食。
今日はかなり暑い。風があるから多少は良いものの、太陽がジリジリと照りつけ、もう完全に夏の雰囲気だ。
午後も黙々と進む。風向きが変わって横風になったが、ぼちぼちのペース。水はすぐに温まってしまい、飲んでもあまり喉を潤せない。しかも油断してあまり量を積んでいなかったのでもうすぐ無くなってしまいそうだ。
16時ごろに町に着きスーパーを見つけたが、シエスタ休憩中。チェーンの大きなスーパーなら午後も休まず営業しているが、小さな町の小さなスーパーだとこういうことが多い。個人商店も営業しておらず、飲み物を入手できなかった。
あっという間に町外れに。
フランスなんかだとそこそこの規模の町であれば必ずしっかりとしたスーパーがあったが、スペインはこの辺が困る。特にアンダルシアに来て郊外型の大きめのスーパーは減った気がする。
途中にあった不思議な構造の集落。
久々に暑さにクラクラとなりながらどうにかGSに辿り着き、冷たいジュースと水を購入。午後も営業しているGSは本当にオアシスだ。
それにしてもこの暑さは中国以来。季節が巡ったという感慨もあるが、気をつけないと熱中症になってしまいそうだ。
GSの水道で顔を洗い、グローブとTシャツの袖を濡らし、水を入れたペットボトルには濡らした靴下を履かせる。気化熱で少しでも水を冷やす。こんな小細工も中国以来。でもこの小細工が結構重要だったりする。
17時過ぎにLora del Rioという町に着いた。もうそろそろキャンプ地探しを始めるので、ここのスーパーで買出し。
町を出て少し走ったところに、川から離れる方向(今日はずっとグアダルキビール川沿いに走っていた)にのびる脇道があったのでそれを進む。
丘陵地帯に近づく途中でキャンプできそうな草原があったが、少し民家に近いのでもう少し進む。
丘には手入れされた森があってここならキャンプできそう。しかしゴミが落ちていたりして人の形跡があるのがちょっと気になる。それに森の中でキャンプするとテントが結露しそうだし、なにより夜の森ってのは結構怖い。
草の丈は高いが、柔らかいのでテントを張るのは問題なさそう。また種類の違う草(というか低木?)の茂みが点在しているので車道からも隠れられる。ここなら気持ちよくキャンプできそうなので、ここにテントを張ることにする。
茂みに隠れてのキャンプってのも適度にワクワクして良い。
20時を過ぎても西日が強く暑いので、しばらくは日記を書いたりウトウトしたりしてやり過ごす。20時半を過ぎて日が沈むとようやく気温が下がり始めてきたので、夕食の準備。
もう快適なキャンプシーズンは過ぎてしまったな。
22時頃になってようやく過ごしやすくなってきた。近くでは鈴虫のような虫の音が聞こえる。
でも暗くなると近くの茂みで何か小さな動物がしきりに動き回っている。周囲のあちこちの家では犬がずっと吼え続けている。ひょっとして俺がいるせい? なんだか今夜は落ち着かない夜になりそうだ。
【走行データ】
走行距離:89km
総走行距離:17064km