7時に起床。トイレに行くために外に出ると晴れているが、気温はかなり低そうだ。
8時ごろに主人がやってきて朝食。といってもチャイとナンだけ。
出発の準備をしていると主人がなにやら言っている。よくわからなかったがお金を請求されているらしい。結局1000テンゲ払うことになってしまった。
昨日「普通の民家」と思ったのはまたしても勘違いで、最初に考えたとおり有料の民泊だったようだ。恐らくは、この家の奥さんが雨の中現れた自転車旅行者に対して無料で泊めてくれようとしたのだが、主人の方はそれに納得がいっていなかったようだ。なので今朝になって奥さんの目に付かないようにしてお金を請求されたらしい。
まあもともと金を払って宿に泊まるつもりでこの集落までたどり着いたのだから別に構わないのだけれど、なんだかガッカリしてしまった。それならそれで最初からハッキリ言ってほしかった。
もうこの家族に対する興味も失せてしまった(それはそれで我ながら身勝手な話だが)のでさっさと出発する。まあこれでカザフに対する未練はなくなった気がする。やはりアラル以降は列車移動してしまおう。
9時の時点で0℃。日は出ているが非常に寒い。出発後5分で「これはイカン」と思いフリースとジャケットを着込むが、それでも走り出すと手足がかじかんで痛い。30分も走ると指先の感覚がなくなってくる。
日が高くなってきて気温も3℃位まで上がってきたのに何でこんなに寒いんだろうと思っていると、実際には表示は「-3℃」となっていた。自転車にくくりつけた腕時計内臓の温度計は、走行風が当たって見る間に表示温度が下がっていく。
なんてこった、これはつまり走行時の体感温度も-3℃ということだろうか。試しに停車時に日の光が当たらないようにして気温を測ってみたが、それでも-0.7℃だ。
そろそろカザフの冬が本気を出し始めたようだ。気付けばボトルの水もいつの間にか凍っている。これは風景が退屈云々とか言っている場合じゃなくなってきた。今の装備のままアラル以降も走行を続けたら凍傷で手足の指を失いそうな気さえする。
アラリスクまでは40km程度の道のりだが、寒さや疲れで進みが悪い。しかも膝まで痛み出した。
アラリスクの街の入り口に到着。モニュメントにはチョウザメの姿が。
街へ着いたのは15時前。すでに寒さと空腹と疲労でフラフラである。地図に載っていた宿(その名も「アラル」)に直行する。
値段を聞いてみるとトイレ付き・シャワー共同のツインが4000テンゲだったが、「連泊するから」と値切ったら3000テンゲにしてくれた。3000テンゲでも高いといえば高いが、ここはWifiもあるのでカザフの基準では悪くない条件だろう。ここに来るまでにもう一軒宿があったが、比較するのも面倒なのでここに決めた。
とりあえず近所の商店でビールとチップスを買って一休み。その後にシャワーと洗濯。シャワーは温度・湯量共に申し分ないが、早めに終わらせないとすぐにお湯がなくなってしまうので注意が必要だ。
夕食はホテルの向かいにあるカフェでマンティとビール。