今日も何事も無く朝を迎えられた。
今朝は雲が多い。また湿度が多少あるのかテントに朝露が付いていた。
100m程登って850m位の峠を越える。その後は一旦下るが、アップダウンを繰り返しながら再び標高を上げていく。
追い風が吹いてはいるが、ペースはイマイチだ。また登りでかいた汗が、立ち止まると風で冷やされて寒い。今日は100km以上先のBazaという町まで行ければと思っているが、こんなペースだと辿り着けるだろうか。
再び緩やかな峠を越える。ここは1000m弱。
途中のGSで500mlのモンスター(エナジードリンク)を買い、少し先のバス停(バスなんて来るのか?)でそれとお菓子で昼食。今日はマトモな買出しを出来る店にまだ辿り着けていないので、手持ちの甘いものしか食料が無い。
食べていると晴れてきて、追い風も強くなってきた。モンスターのおかげか、天気が良くなってテンションが上がったからか、体の調子も出てきてペースが上がる。
美しい起伏が続く、鮮やかな緑の大地。
またしても峠越え(というか丘越え?)で、1150m。だんだんと標高が上がってきている。
オアシスのように突然現れるGS。
遠くに見えたこの建物は最初は農家かと思ったが、ひょっとしたら墓地かも。
峠を下ったところにあるPuebla de Don Fedriqueという町に着く。ここはBazaまでの道のりのだいたい中間辺りに位置するが、15時現在でまだ残り距離が70km程はありそう。だめだ、今日中の到着は諦めよう。
なぜ今日中のBazaへの到着を目指していたかと言うと、バレンシア出発時に見た長期予報によるとそろそろ天気が崩れそうだったからだ。Baza―グラナダ間は1日で走れる距離で、そこにもまた峠がある。雨の中の峠越えは嫌なので、今日中にBazaに着いて予報を確認し、降りだす前に峠越えをするか、あるいは待機をするか決めるつもりだった。
しかし辿り着けないものは仕方ない。
今夜もどこかでキャンプをするのでも良かったが、とりあえず近くのレストランに入って休憩がてら天気予報を確認することに。そこはオスタル(“Hostal”、つまりスペイン語でのホステル)に併設のレストランなので、もうここに泊まってしまってもいいな。
Wifiがあることを確認してからビールを注文。もうゆっくりしてもいいよね。値段は小さなツマミ(魚のフライ)がついて1.3ユーロだった。安い!
天気予報によると今夜から明日の朝にかけて雨の可能性があるようだ。それならば明日Bazaに行って、明後日にグラナダに行くのでも問題なさそうだ。
ビールを飲み終わってからオスタルの値段を聞くと一泊20ユーロだった。部屋を見せてもらうとトイレ・シャワー・Wifi・テラス付きの綺麗なシングル。20ユーロでこれなら上等でしょう。さすが田舎、安くて助かる。昨日あんなに「自転車旅での野宿の素晴らしさ」について書いたのに、今日はあっさりと宿に入る。
ぼちぼち人の姿も見かけるが、あまり活気があるとは言えない雰囲気。
スペインの町の午後の静けさって独特だ。生活感はあるものの、通りに人の気配は無い。強烈な日差しの暑さから逃れるために、ひんやりとした石で建てられた家の奥に引っ込んでしまっているのかもしれない。なんだかまるでプールの底のような、明るいけれど妙に静かな場所が多い。
スーパーで買い物をしてから宿に戻る。田舎のスーパーだから小さくて品揃えもイマイチだったけれど、それはそれで趣がある。
ここの浴室にはバスタブが付いていたので、何ヶ月ぶりかもわからないくらいに久しぶりの湯船に浸かる。夕食は適当に自炊して済ませた。
【走行データ】
走行距離:57km
総走行距離:16615km