朝食は昨日と同様。中国では時々、豆乳をビニール袋に直接入れてくれる。
ケイ・ユキペアとは別行動の予定だったけれど、結局出発のタイミングが合ったので一緒に行くことになった。
別の町に滞在していた彼らは持っていたMSRのガスストーブが不調だったため清水河で別のものを買ったのだが、それが不良品だったため交換してもらうために店に行っていた。それらの用事が済んで昼食を食べてから出発。
涼拌牛肉麺。これが食べ納めだろうか。
出発が遅かったため、自分の中ではもう今日はやる気無し。国境の町に泊まって、明日仕切り直しでも良いんじゃないかな、なんて考える。
カザフスタンには外国人登録という制度があり、カザフに5日以上滞在する外国人は町の移民警察局(オヴィール)で手続きをしなければならない。空路や一部の陸路国境では入国時に手続きをしてくれるらしいのだが、コルガス国境はそうではないようだ。
外国人登録は入国後5日以内に行わなければならず、オヴィールは恐らく大きな町にしかない。コルガスから30km程の所にジャルケントという少し大き目の町があるのでそこで手続きできれば問題ないのだが、もしそこで出来ないとなると国境から350kmのアルマティまで行かなければならず、それには3日から4日はかかるだろう。つまり「5日以内」の期限は結構ギリギリになる。
そういった理由から、カザフ入国は出来れば朝一で済ませたい。午後になってから入国してもその日はほとんど走行距離が稼げないまま日数がカウントされてしまう。(しかし明日入国にしたとしても、それはそれで5日目が土曜になってしまって手続きできるか微妙なところなのだが)
そんなことを考えながら国境までの道を走る。単調な風景の高速で、暑く、眠い。
コルガスには15時半頃に到着。もう越えなくて良くない?
そんな折、ユキさんの自転車が不調。リアディレイラーが変速しなくなってしまった。このまま進むのは厳しいので自転車屋を探す。近くの人に聞いて自転車屋の場所を教えてもらったのだが、そこは閉まっていた。しかし、ピストバイクに乗った若い女の子をナンパに聞いたら、彼女も丁度自転車屋に行くということなので連れて行ってもらった。
その自転車屋のおじさんが優しい人でしかも日本好きで、自転車をすぐに治してもらいお金も要らないといってくれた。中国最後にして良い出会い!
しかしそのおじさんが教えてくれたところによると今は国境が閉まっているらしい。よくはわからないが、9/1はカザフ側で学校が始まるから(ホントにそんな理由なのか?)土・日・月の3連休だそうだ。そうか、結局越境は出来なかったわけか。
そうとなったら宿探し。自転車屋のおじさんが宿を教えてくれて、さっきの女の子が案内してくれた。120元でトイレ・シャワー付き。高いけれど、この辺ではここが一番安いらしいので仕方ない。
荷物を置いて、近くにあった気持ちの良い公園で遅い昼食。
飲みすぎ?
夜、宿の受付で人気者になる。
これまでの旅のことを話したり、ロシア語を教えてもらったり。まわりにいるのはカザフ人、カザフ系中国人、ウイグル人。ここはもう漢族の土地ではないんだと感じる。
その中にいたウイグル人の青年二人が仲良しで心が和んだ。彼らにカメラを渡して写真を撮ってもらうとき、使い方がわからなくてまごついているのをもう一人の方が「早く撮れよっ!」と頭を叩いて突っ込んでいたのを見て、日本の若者と変わらんなと感じた。
今日は早く寝て明日に備えなくてはならなかったが、そんなことも忘れてしまうくらいに楽しい時間。今度こそ中国最後の夜、それに相応しい夜だった。