天気予報では今日は曇りか雨。でも日が昇ってくると少しずつ晴れ間が出てきた。ボチボチと準備をして10時に出発。
今日は日本人サイクリストのカズヤさんと一緒に走る。トビリシの街を休まずに走り抜けるが、カズヤさんのペースが速くて必死でついていく。
11時ごろに街を抜けて渓谷を進む道になる。木の生えた急峻な山と水量豊かな川は日本の風景に通じるものがある。
クタイシへ向かう高速と下道の分岐点にあるムツヘタという町にある教会を見学することに。一人で走ってるときはあまり寄り道することは無いので、これはなかなか良い機会だ。
行ってみると思ったよりも立派な教会で、土産物屋やホテルもあって観光地となっているようだ。それもそのはず、ここムツヘタはグルジアの古都で、世界遺産にも登録されている。こじんまりとした町ではあるが、紀元前からの歴史があるのだ。
中の造りも見ごたえがある。僕は無宗教者で知識も無いが、それでも実際にこういう場に足を踏み入れると粛々とした雰囲気に飲み込まれる。
教会から出ると昼時だったが、この辺には高そうなレストランしか無さそうだったのでこのまま進むことにする。
気温は低く日陰は寒いが、坂を登ると暑くなってくる。服装の調整が大変だが、しかしまあ天気が良くなったので気分は良い。
↓グルジアの列車。なかなかしっかりとして速そうなデザインだが、山間部のためか実にのんびりとした速度で走っている
↓商店にあった冷凍ヒンカリ
その後ですぐに登りが始まる。川沿いの道で大きな登りは無いと思っていたが、立派な峠越えだ。そこそこきつい斜度の坂が続く。
そこから先も田舎道のアップダウンが続くが、追い風が強くなってきて緩い登りだったら比較的楽に走れる。
今日は最初は「雨が強くない日を狙ってトビリシを抜け出す」くらいの気持ちで走り始めたが、実際に走るとこれがなかなか良い日ではないか。
↓「塔の家」? これは違うかもしれないけど、グルジアの一部地域には「血の復讐」という掟があったそうだ。
トビリシではなんとなく人々が暗いイメージだったが、田舎に来てすれ違う人々と挨拶をすると、結構みんなにこやかに挨拶を返してくれる。牛を追うおじさんたちもフレンドリー。
↓試しに動画を張ってみる
夕方頃に洞窟都市があるUplistsikheというところに寄る。もう日没が迫っていたが、今日はもう少し先のゴリという町に宿があることがわかっていたので、多少暗くなっても問題ない。
しかしその途中で写真を取ったら、カメラのオートフォーカスが動かなくなってしまった。僕が使っているレンズはPentaxのDA★ 16-50なのだが、以前からピントリングがうまく動かなくなることがあり、今回はそれが完全に動かなくなってしまった。
この事態のせいで個人的にはテンションガタ落ちである。しかもこういうときに限って写真を撮りたくなる風景が現れる。
しかもいざその洞窟都市の入り口についてみると、もう見学時間が終わってしまっていた。なんてこった……。
閉まっているものは仕方ないので、いそいでゴリの町へ向かう。それにしてもコレで本当にレンズが壊れてしまったのだとしたら困ったことになる。ペンタックスのショップなんて日本を出てから一度も見ていない。修理も代替品の購入も望み薄だろう。
そうなると、どこか大きな町で中古のカメラでも買うか、日本からレンズを送ってもらうか。どちらにしても面倒なことになった。
ゴリの町には18時過ぎに到着。カズヤさんが調べておいてくれたゲストハウスへ向かう。しかしその場についてみてもあるのは民家だけ。これは「ゲストハウス」というより「民泊」なのかもと思いとりあえずノックして聞いてみると、案の定そうだった。この辺(旧ソ連圏)はこういうスタイルが多いみたいだ。
値段は良い値が25ラリ/人だったが20ラリに負けてもらう。食事・ネットは無し、ホットシャワー有り。
荷物を置いてまずは夕食。街を歩いているとスターリン博物館があった。そう、ここゴリはスターリンの生まれ故郷である。今回は博物館は見学しなかったが、外にあったスターリン専用列車とスターリンの生家を見学。
↓壁の作りがなかなか面白い
夕食は居酒屋風の店で。もちろんビールも!
ケバビとマンティ、そして壷に入ったロビオという豆のスープ。カレーのような香りの香辛料が使われていて美味しい。ビールに良くあう。一緒に走った人と一日の終わりにビールを飲む、これはなかなか楽しいものだ。店のおばちゃんも気さくな感じで、気持ちよく夕食をとれた。
宿に戻ってシャワー。風呂場にはガス式の瞬間湯沸かし器があって快適なシャワー。しかし部屋には暖房がなくて寒いので、今日はさっさと寝てしまおう。
【走行データ】
走行距離:97km
総走行距離:9591km