そんなわけで旅のゴールには到着したのだが、家に帰るまでがユーラシア横断なので(いや横断は終わったんだが)その後のことも書いておこうと思う。
今後の予定としては数日間リスボンを観光するつもりで、その後にドイツまで列車移動する。というのも、僕の姉がドイツに住んでいるので折角ここまで来たのだから帰国前に会っておきたいのだ。そのドイツまでの道中で時間があれば、旅のスタート時に浜名湖で会ったスイス人サイクリスト夫婦の家にお邪魔できればと考えている。
シェンゲン協定のリミットが22日まで、もう2週間を切ったのであまり余裕は無いのだが、最後まで楽しみたいと思う。
何はともあれリスボンまで戻らなくては。
食料を上手く使いきってスペースが空いたので、今までバッグの外に括り付けていた雑多なものを綺麗にパッキングして身だしなみを整える。最後だからカッコつけないとね。
ロカ岬を去る前にもう一度先端へ。ここのツーリスト・インフォメーションで「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を発行してもらう(あくまで「到達」であって「横断」じゃないのがミソ)。普段だったらこんな観光客向けのものには手を出さないのだけれど、まあ折角だし。最後だし。
ちなみにこの証明書はデザインが2種類あり、好きなほうを選べる。値段はなんと11ユーロ。高い。これに、職員が流麗な字で自分の名前と今日の日付を書き込んでくれる。
バスでやってきた観光客の後ろに並んで順番を待つ。周りから見れば自分もそんな観光客と見分けがつかないのだろうなと思うとなんともやるせない気持ちになってくる。違うんだ、俺は自分の足で辿り着いたんだ、それを誰かに聞いて欲しかったけれど、でももちろんそんなことはしなかった。そんなことを自慢しても、かえって自分の中の大切な何かが損なわれるだけのような気がしたからだ。
ここに再び来ることはあるだろうか? どうだろうな。わからない。なんとなく名残惜しい気持ちで走りはじめる。
汗だくになって幹線道路までの道を登り、その後の下り坂は風景を楽しむのもそこそこにカッ飛ばす。
来るときとは別の海岸沿いの道を走る。
これから宿探しをしなければならないが、リスボンは坂が多く、しかも舗装や石畳の状態が悪くてかなり走りにくい。
調べておいた宿をいくつか覗いてみたが、空きが無かったりでなかなか決まらず。そうこうしながらトラムが集まる広場を通りかかると何かの祭りをやっているらしく、交通規制がされて先に進めない。仕方ないので祭りを眺めつつ、適当にカフェに入ってビールを飲む。
何の祭りなんだろうか。
交通規制が解除されたのを見計らって宿探し再開。宿の数は多いので、数軒あたって値段と雰囲気をチェック。大都会らしく余り雰囲気の良くない安宿もあるのでそこは慎重に。
インド人が経営してる宿で3泊で45ユーロという部屋(値切った。トイレシャワー共同)があったのでそこにする。
少し休んでから夕食へ。でもこの辺はあまりレストランが無く、しばらく歩き回る。
最終的に宿の近くに戻ってきて、あまり安くはなさそうなシーフードレストランへ。鯛の塩焼きを注文。
結論から言うと、こういうシンプルな魚料理は日本のほうが美味しい。あえてポルトガルで食べなくてもよかった(もちろん店のレベルにもよるだろうけど)。しかもお通しで出てきたタコのマリネみたいなやつが思った以上に高く(6ユーロ)、計25.4ユーロにもなってしまった。もう行かん。
さて、明日から忙しくなる。