7/12 張掖→元山子 (120km)

昨日はネットの回線の混み具合のせいか、ブログの写真がアップロードできなかった。なので今日は朝のサクサクタイムのうちにブログを一気に更新。

8時ごろに宿のすぐそばの店で牛肉麺。加工牛肉麺(10元)というのを頼んだらやわらかく煮込まれた牛肉がたくさん乗ってて美味しかった。そしてこの店はゆで卵も入っている。これで、普通の牛肉麺だと5元だから他より安い。やはり人気があるのか朝から繁盛していた。
 

9時半ごろに出発。街を出る前に昨日の自転車屋に顔を出してみるが、奥さんしかいない。店主に挨拶できなくて残念だけど、ブログのURLだけ伝えて出発。

この辺は湿地帯。乾燥した土地だがこの一帯は水が豊かなようで、穀倉地帯が広がる。

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足の調子がすこぶる良い。こんなに良くて、後で反動がこないだろうかと心配になるくらい。
日差しは強いが午前中のまだ涼しい空気の中を順調に進む。

羊に囲まれる
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羊飼いのおじいちゃん
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昼頃に大き目の街に到着。昼食は豚肉の麺(12元)。名前は忘れた。
肉も野菜も多くて良いんだけど、量が多すぎて苦しかった。

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街にあった掲示板
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午後、走り出してからも胃が苦しい。日差しも強烈になって気温も上がってきた。
午前中は快適で水もあまり飲まなかったけど、午後は気をつけないと簡単に熱中症にかかってしまいそうだ。
周りの風景も再び乾燥地帯に。

ここはサバンナですか?

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山のほうには雲が増えてきている。平地からの風が山に当たって上昇して雲になる、とかそんな感じだろうか。
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16時前に高台という街に着いて休憩。この時点で80kmほど。今夜も野宿になりそうなので水を補充。
ここまではほぼ平坦路だったが、ここから登りはじめる。1400mを切った標高を、再び1800m程度まで上げる。

前方の雲が怪しい。
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風はほとんど無くて雲は停滞している様子。まだ走行が100km未満だが早めにテントを張ってしまおうかと思ったものの、あまり良い場所が無い。

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仕方なく進むと稲妻が見え始めた。遠くで雨が降っているのも見える。

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これはヤバイかな~、と思っていると急に風が強くなる。強風で舞い上げられた土埃で茶色く霞んでいるところがある。それが次第に近づいてきて、右側数百mのところを風が渦を巻きながら通っていく。前方に見えていた山も一瞬で見えなくなってしまった。これはちょっとマジでヤバイ。

写真を撮る余裕も無く避難できる場所を探して必死に漕ぐ。大粒の雨が降り出したところで渇いた川を越える高速道路の橋の下に避難。渇いた川と雨、不吉な組み合わせだ。

でもこれでとりあえず安心と思ったものの、橋の下まで強風が吹きぬける。気温も一気に下がった。風下を向いて風をやり過ごしていたところ、バイクに乗ったおじさんと若い男性も避難してきた。これは凄いねと笑いながら風下側の壁に張り付いて風と雨から逃げる。

しばらくすると風は若干弱まったので橋の下に戻る。渇いた川に上流から水が流れ始めた。水量はたいしたこと無いから危険ではないけれど、やはり嫌な感じ。少なくともここにテントを張るのは無しだな。

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恐らく雪解けの季節に川が流れるのか、コンクリートの壁には1m程の高さまで濁流が流れた跡がある。この乾いた土地にそんな川が生まれるなんてちょっと想像できないけれど。

この辺の地表はとても細かい粒子の土で覆われている。触ってみると小麦粉のよう。これが一度水に濡れるとビシッと隙間無く固まってしまい、再び雨が降っても水は浸み込むより早く地表を流れて行ってしまうようだ。

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川が流れた跡はあちこちにあるしこういった夕立のような雨は度々あるだろうに、この地がここまで乾燥してるのはその辺も関係してるのかも。

 
小一時間ほど待っただろうか。筆談でこの先に宿があるか聞いたら、1時間ほど走った先にあるという。この若い男性は少しだけ英語が話せて、地図を見ながら教えてくれる。この先も天気がどうなるかわからないし、今日は宿があるなら宿に泊まったほうが安全かもしれない。雨が弱まった隙に二人はバイクに乗って出て行く。お礼を言ってお別れ。

親子?
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こちらも走り始めたが、今度は別の雲から雨が降ってくる。風向きが変わって追い風なので、雨雲から逃げるように走る。西の方は晴れてて日差しが眩しいのに、後方からは強い風にあおられた雨粒が降ってくる。後ろを振り向くと二重の虹。

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少し走ると高速の下をもぐって反対側に抜け、上り坂になる。すると雨は止んだが風向きも変わり強い向かい風。なんだってんだ、ひどい天気だ。
坂を登りきり正面には雪を被った山脈が見える。この天気で山の上は雪だったかもしれない。

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とても美しいけれど、それよりこの風を何とかして欲しい。小さな峠を越えて緩やかな下り坂になっても10km/hも出せない。すでに走行距離が100kmを超えてる状態でこれは堪える。風に悪態をつきながら走る。これは浜松以上だ。

20時くらいに教えてもらった元山子という村に着く。ガソリンスタンドと商店と飲食店、それと家が何軒かあるだけの村。でもどこが宿だかわからなかったので近くの人に聞いて案内してもらう。

おそらく長距離トラックのドライバー向けの宿。最初は修理工場かと思って通り過ぎたけれど、駐車場を囲むようにしてある平屋が宿になっている。シャワーなし、トイレ共同で40元。値切ったら30元でそれでも高いと思ったけれど、他に選択肢も無いのでそれで妥協。この風の中テントを張るのは厄介だし、もう気力もそがれてしまった。唯一自転車を部屋にそのまま入れられるのが良い。

家族でやっているみたいだけれど、娘さんが実務をしているようだった。高校生くらいにしか見えないけれど、利発そうな優しい子。英語がほんの少し話せて、お互い片言の英語で説明をしたり要望を伝えたり。

手を洗いたかったので水道の場所を聞くと洗面器に水を張って渡してくれた。トイレは家畜がいるスペースの中にあり、なかなか壮絶な代物。まああまり細かい描写はここではしませんが。なにせ壮絶なので。

これは、確かに屋根のある場所で寝られるけれど、テント生活の方がよっぽど清々しく衛生的な気もする。

でも、この人たちはここでずっと生活してるんだものな。そう思うとあまり悪く言うのも気が引けてくる。この環境に慣れているということなんだろうけど、逆に言えば日本人も日本の清潔な環境(時としてそれは過剰であったりする)に慣れ過ぎてしまっているのかも、とも思う。

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綺麗な夕焼けの中、夕食を食べにさっき宿の場所を聞いた人のお店へ。駐車場には大型トラックが数台停まっていて、店もそこそこ賑わっている。ここで夕食を食べ、駐車場で夜を明かすのかも。

食事を終えたのは21時半ごろ。さすがに外は真っ暗。風は弱まって、晴れた空にはまん丸の月が出ている。
そうか、今日は満月だ。だったらキャンプしても星は見られなかったな。

日記を書いて、手拭いで顔だけ拭いて就寝。

 
【走行データ】
走行距離:120km
総走行距離:3942km

カテゴリー: 中国(China) パーマリンク

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  1. ノベルティ屋 のコメント:

    おぉ!虹綺麗ですね!
    悲しいかな最近めっきり見てないです。
    目に入るにはコンクリートのビルばかり(笑)

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