8/1 トルファン→达坂城(Dabancheng) (103km) ―新しいルートもきっと楽しい―

暑くなる前に、風が強くなる前に、と思って早く出ようとしたが、結局起きられなくて9時出発。
ホテルのあたりの海抜は20m程度。街から国道に戻る道は上り坂で、GPSの海抜0m表示を撮り損ねてしまった。まあいいか。

↓高い割にネットがイマイチだった交通賓館
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街を出たらすぐに高速道路になった。今までと違って路肩が狭い。今のところ風がないから良いが、あとあと辛くなりそうだ。少し上りだが、今のうちに出来るだけ距離を稼ごうと頑張って漕ぐ。

↓今日もまた、ぺんぺん草の一本も生えていないような土地を行く
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↓交通事故の恐ろしさを伝えるもの。大胆なやり方だ。
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昼頃までに400mほど標高を上げたが、ここから突然向かい風が強くなる。周囲には風力発電所。とりあえず陸橋の下の日陰で昼食の代わりにお菓子を食べる。
こんな草もろくに生えていないような場所でも虫がいる。このときはバッタを見た。他にも、砂漠にはハエが多い。走っていても時々飛んできて、体の周りを飛び回って非常に不愉快。
それにしても、生き物なんていないように見えたのに、実際に行ってみて初めて気付く些細な事というのは一杯あるものだ。

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昼食後、風が非常に強く辛い走行。横斜め前方からの風に煽られて、路肩の狭い道では車が怖い。ハンドルを押さえつけながらペダルを踏み込む。遠くに見える建物、あそこまで行けば休憩できるかもと思いながら漕ぐが、近づいてみるとただの変電所だったりして気持ちが折られる。

14時ごろにカシュガル方面とウルムチ方面の分岐点に着く。ここを右に行けばウルムチに行き、そしてカシュガルからは遠ざかる。もう決めたことだけれど、やはり少し後ろ髪を引かれる思いだ。

↓分岐点から少し進んで振り返る。カシュガルの表示はないけれど、「庫尓勒(コルラ)」の表示がカシュガル方面。
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サービスエリアがあったので休憩する。先ほどの3人組もいたので少し話すと、そのうちの一人は北京からやってきてウルムチがゴール。他の二人とは途中から一緒に走っているらしい。

 
ここから先は一般道が並走しているが、料金所のゴチャゴチャしたあたりを通り過ぎたら高速の出口も見過ごしてしまった。ここからは路肩は広いものの相変わらず交通量が多いので、一般道を走りたかったな。

ここからは渓谷を行く道。風が強く道も登りだが、風景に変化が出てきたのが救い。緑も増えてきた。

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休憩しながらえっちらおっちらと進む。スマホの地図を見て、川のカーブをあと3つ過ぎたら町が見えてくるはず、と考えて踏ん張る。

19時ごろに达坂城(Dabancheng)の街に近づく。ここは古城があって高速からも見えたのだが、木が邪魔だったので写真は撮らなかった。古城についての詳細は不明。

渓谷を抜けると、緑豊かな気持ちの良いのどかな風景。そのなかに場違いな雰囲気の橋。恐らくは開通前の高速鉄道の陸橋だ。

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达坂城の街に入ってみると、それほど大きくはないが宿はありそうな雰囲気。そしてなぜか妙に観光地っぽく装飾の建物が並ぶ。その中に賓館を見つけたものの安宿という雰囲気ではなかったのでスルーしたが、二軒目も同じような感じだったので、まあいいやととりあえず値段を聞きに行って見ることにした。

宿の入り口に自転車を止めていると中から男女2人組みが出てきて、話しかけてきた。「Where are you from?」と聞かれて「お、英語だ」と思いながら「I’m from Japan」と答えたら、「僕らも日本人です!」と日本語で返ってきた。

なんと!

彼らの名はケイさんとユキさん。彼らも自転車旅行中だという。まさかこんなどうってこと無い小さな街で日本人、しかも自転車旅行者と会えるなんて!
まわりは中国人だけと完全に油断していたので、疲れて無愛想な返事になっていなかっただろうか。

とにかくまず同じ宿に入る。中国語が話せるケイさんに宿の人と話してもらって、ここは宿泊に公安への届出が必要だったので近くの公安局まで一緒に行ってもらった。それが終わってから部屋に荷物を置いて夕食へ。

ケイさんはボランティアをしながら世界を回っているという、興味深い旅をしている人。話をしていると、以前に彼のブログを見たことがあったと気付いた。中国に3年間いて、色々なエピソードを持っている。中国ではケイさんは結構な有名人であるらしい。なんとまあ、こんなとこでそんな人と出会うとは。
ちょっと前まで一時帰国していて、一週間前に庫尓勒の街から自転車旅を再開したそうだ。その前はタクラマカン砂漠の砂漠公路を縦断したというつわものでもある。

ユキさんはその一週間前からケイさんと共に自転車旅をスタート。自転車旅行はおろか、海外旅行も今回が初めてだという。それでこの灼熱の土地を走ってきたというのだから、こちらも相当なつわもの。

でもそんな過酷な旅を感じさせない、丁寧で優しい雰囲気の二人。そして二人ともビールが好き。実に好感が持てる。

夕食もビールを飲みながら楽しく話す。3年間も中国にいたというケイさんの話しは深く、説得力がある。一箇所に長く滞在することもある彼は、中国の良いところも悪いところもたくさん見て来たに違いない。

 
明日から、同じくウルムチへ向かう二人と一緒に走ることになった。中国に渡って初めて会った日本人と走る。ルートを変更して早々、楽しい事態になった。さて、この先どういう展開になるのだろう。

 
【走行データ】
走行距離:103km
総走行距離:5487km

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