6/16 周口→叶 (136km) ―「釣魚島中国的」―

朝食に宿の前の屋台でちまきを食べる。米自体に味はついていなくて、ザラメを振りかけて食べる。塩気のある味を期待したんだけど、そうか甘いのか……。
9時半頃に出発。雨はやんでいて、気温は低め。「雨が降っていないって素晴らしい!」と気分よく進む。刈り取りが終わった麦(?)の畑の中を延々と走る。

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途中のガソリンスタンドで休憩していたらおじさんが話しかけてきた。筆談をして、俺が日本人だとわかると「釣魚島中国的」と書いてきた。尖閣諸島のことを言っているのだろう。政治的な話をする語学力はもちろん無いので適当にごまかしたが、こういう展開は初めてだった。今まで出会った人は好意的な人が多かったし、日本人とわかって嫌な顔をされたことは無かった。自分は、“たとえ国家間の関係が悪くとも、実際に個人が一対一で誠実に向き合えば理性的で友好的な関係が持てるのではないか”という考え、というか願望を持っている。でも世の中には色々な人がいる。これからまだまだ長い中国の旅のなかで、現在の日中関係や過去の戦争のことで悪意を持たれる事ももちろんあるかもしれない。そう改めて認識させられる出来事だった。

しかしこのおじさんにしても決して敵対的ではなく、とてもフレンドリーだった。「中国は好きか」「一緒に写真を撮って良いか」なんて言ってきて、仲良く肩を組んで写真におさまった。「食事していくか?」とまで言ってくれた(このときは時間が微妙だったのでお断りしたが)。

多分このおじさんは政治に関心があり、このおじさんなりの考えで(あるいは教育やメディアの影響で)「釣魚島中国的」と言ったのだろうが、悪人ではないので、汗を流して自転車を漕いでいる日本人の若い旅人には優しくしたのだろう。この出来事にはもちろん「良い話」としての側面もあるけれど、でも逆に考えるとたとえ善人であっても国家だったり民族主義なんかにとらわれてしまうこともある、とも言える。これはもちろん、中国に限った話ではなくて、どこの国でも、当然日本でも当てはまることだ。実際に近い距離で話せば相手を思いやる事もできるけど、遠くにいて、しかもメディアを通してみると血の通った人間である相手の事が上手く想像できなくなる。時として、国家やメディアはその状況を上手いこと利用して、人々の考えを誘導してみたりもする。

そういえば、これはこの旅に出る動機にも関係してるな。
余計なフィルターを通さず、自分の目で見てみたい。
旅を終えたときに果たしてどう感じるのだろう。
世界の人々のことを好きになっているのか、それとも嫌いになっているのか。

……

50kmほど走ったところにある街でこの先の進路を考える。このまま西に行くか、北にそれるか。どちらでも良かったんだけど、西に行った先の街の「平頂山」と言う名が気になったので、西に行くことにした。テーブルトップの山でもあるのだろうか?

でも結局この日は平頂山まではたどり着けず、手前の叶という街でストップ。今日は雨で進めなかった分を取り返そうとがんばって漕いだのでクタクタ。
そしてその雨で泥だらけになったバッグを洗いたかったので、シャワーがついてる宾馆に入る。値切っても70元でチョイ高めだけど、もう良いや。それにほら、全自動麻雀卓も付いてるし!↓

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すごい、さすが中国。宿の入り口に電光掲示板が付いていて部屋の値段とかが表示されるところもあるんだけど、それを見てるとどうやらこういう部屋は結構あるみたい。でも今日もエレベーター無しの3階。今日は階段が脚に堪えた……。

因みに私は麻雀できません。

夕食は水餃子。「牛肉大葱」(10元)。ニラとパクチーが入ったお酢ベースのタレで食べる。美味しいけど、ひたすら水餃子だけ食べるのもなんかな……。他を見てると丼のスープの中に水餃子が入ってるのもあって、それも美味しそうだ。

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さて、宿に置いてあったシャンプーを使ったらパクチーの匂いがしたんだが、これは気のせいか……?

【今日のビール】
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これは比較的美味しかった。麦の味が感じられた。冷えが甘かったけど。
宿に帰ってから缶に入った同じやつを飲んだけど、それはむしろ冷えすぎで味がよくわからなかった。

【走行データ】
走行距離:136km
総走行距離:1824km

カテゴリー: ビール, 中国(China) パーマリンク

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