6/22 陕→潼关(tongguan) (113km)

朝食に油条を買う。今更ながら、中国に来て始めて食べたけど、これがびっくりするくらい美味しかった。揚げたてだったからというのもあるだろうけど、あまり油っこくなく、まわりは少しパリッとして中はモチモチ。ほのかな塩気があって、油条だけで一本丸々食べてしまった。うん、これはまた買おう。

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今日は黄河と平行して進むが、距離は離れているので黄河自体は見えない。山間部は抜けたが、黄河が削った河岸段丘の上を走るので、黄河に流れ込む支流が削った谷をいくつも越えて行く。すなわち今日もアップダウン。
でも、最近になって風景に変化が出てきたので面白い。平地を走ってるときはひたすら似たような工業地帯か田園風景だったもの。

昨日は調子良かったものの、今日はまた脚が重い。こんな日は何か別のことを考えながら焦らず着々と進むのが良いけれど、あまりボーっとしてるとマンホールに落ちる危険がある。

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舗装したての道でもマンホールの蓋が壊れているから不思議だ。

 
西安までは240km位。がんばれば2日で走れるが、このアップダウンと脚の調子だと微妙なところだ。

↓広い谷を越える。高速道路や鉄道は橋がかかっていて、羨ましいかぎりだ。
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この写真を撮った後に、バイクでツーリングしてるグループとすれ違った。向こうも気づいて、手を上げて挨拶してくれた。
中国ではバイクはあくまで生活の足で、趣味で乗ってる人はあまり多くないようである。乗っているバイクも恐らく125ccや250cc程度の単気筒エンジンのもので、日本で見るような大型のスポーツバイクは今までに1、2回しか見ていない。だからこの出来事はなかなか新鮮に感じられた。

 
↓近くに山が迫る
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↓夕方には陕西省に入る
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夕方になって次の街で宿を探そう、というところで登り道になる。勾配は緩やかだけれど長い登りで、結局標高は650mくらいあった。昨日の山の中と同じじゃないか……。

↓街の手前の谷。ここには橋がかかっていた。
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潼关という街に着いて宿を探していると、おばさんに話しかけられた。何を言っているかはわからなかったけど、筆談で宿を探していると伝えたら、近くの「酒店」に案内された。この「酒店」というのは、「賓館」より上のランクの宿のはずである(たまに飲食店の名前にも「酒店」とついてるのでわかりにくいが)。おばさんはこの宿の人らしく、レセプションにいたほかの女性に話しかけている。
一応値段を聞いてみると88元。思ったほどの値段ではないが、それでも値切っても70元で少し高い。やっぱり他の宿を探そうと外に出ようとしたら、別の男性が現れた。この人も宿の人らしく、日本から自転車で来たということがわかると「よし、60元にしてやる!」って感じでさらにまけてくれた。本当はもっと安宿探すべきだろうけど、せっかくまけてくれたし、これも何かの縁ということでここに泊まることにした。

 
宿の2階に食事ができる場所があるといわれ、荷物もそのままにおばさんに連れて行かれてしまった。まあ手間が省けて良いかと思っていると、珍しがられて他の従業員に囲まれる。そのうちの一人の女性に筆談で「日本人なの?」と訊かれ、「そうだ」と答えると、メモ帳に何か書いてテーブルに叩き付けるようにして渡してきた。なんとなく雰囲気でわかったが、後で調べたら「間抜け」とか「愚鈍」とかそういった類の悪口を書かれたようだ。ああそうか、反日感情というやつか。

ただ、その場は他の人や最初のおばさんがその女性をなだめるような感じで、険悪な雰囲気にはならなかった。他の人はそれこそ珍しい客だというので楽しんでるようだったし、こちらも何を言われているのかはハッキリとはわからないからそのまま「わからない」という態度でいたので、その女性もそれ以上はやりづらかったようだ。

この人のこの感情はどこから来たものなのだろうか。過去の戦争や、それ以降の日本政府の対応や、昨今の尖閣諸島の問題から来るものなのか。それを尋ねる語学力が無いのは残念だと思った。たとえ自分に向けられる感情が好意でなくとも、そのことについてせめて意見を交換することができればと思った。
そして、この人は例えばチベットやウイグルについての問題を知っているのだろうか。いや、これはまた別の話か……。
自分としても決して日本政府を支持しているわけではないが、中国政府もまったく支持していないのでどうしても反感を持ってしまう。しかし、冷静でいなければ。

漢族の優しさに触れながらも、マイナスな面も目に入ってくる。
疲れた一日だ。考える事は必要だけど、それはとても疲れることでもある。

 
【今日のビール】
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「德利克斯 黒啤酒」。黒ビール。
結論から言うとあまり美味しくない。普通のビールにカカオの粉末でも混ぜたような味。

 
【走行データ】
走行距離:113km
総走行距離:2318km

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  1. ぽむぽんた のコメント:

    中国の反日教育(愛国教育)が始まったのが、直近30年ほどらしいので若い人ほど強烈な反日感情を持っているとか・・・。

    • shima のコメント:

      でも一方で若い人ほどネットで色々見てるから(VPN使ってる人もいました)冷静だ、というのも聞きます。
      実際のところどうなんでしょうね。
      二極化してるのかも。

  2. takamushi akiko のコメント:

    色んな人が居て当たり前よね。
    ついこの間、強制連行の被害者についての文章を読んで、あー、この人の人生ぶち壊したんだと思って
    改めて落ち込みました。
    歴史の責任ってどうやってとればいいんだろ・・・・・・。
    加害者にも被害者にもならずに生きたいね。              <クマ>

    • shima のコメント:

      そうですね。
      「漢族」と一言で言っても色々な人がいるし、一人の人間の中にも色々な面がある。

      「加害者にも被害者にもならない」、この意識は凄く大切なことですよね。
      それにはしっかりとアンテナを張って、正しい認識と正しい選択をする必要がありますね。

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