6/30 天水→甘谷 (73km)

昨日は洗濯したり、勢いのままにブログの記事を書いたりしていたら結局午前2時になってしまった。なのでいつもより遅めの8時に起床。眠い。

朝食は昨日持ち帰った水餃子と酸辣白菜を一緒にして鍋で煮込んだもの。朝からガッツリ。面倒臭いから一緒に加熱してしまおうと思ってやったけど、美味しく仕上がった。最初からこういうメニューがあっても良いと思うくらい。
 

さて、今日はどうするか。別の街に移るにしてもここから直線で50kmは離れている。そして今後のルートも決まっていない。
まず次の目的地である蘭州に向かうには、この天水から二つのルートを選択しなくてはならない。ここから北に向かうか西に向かうか。北ルートは国道310号を通っていく最短のコース。この道は天水から高速道路に変わってしまうが、ネットで調べたり地図で確認するとどうやら自転車でも通れる。しかし標高が2000mを超える区間が多く、また高速道路だけに休憩や宿泊のポイントを探すのは大変そう。これはなかなかしんどそうなルートだ。

一方の西ルートは国道3161号を通り少し遠回りになるものの、北ルートよりは標高も低めのようだ。街も点々とあるので宿泊も問題なさそう。

そんなわけで慎重派な自分は西ルートを選択。それで今日はここから50~60km先にある街まで進もう。そこで良い宿があれば改めて休息日にしても良い。
ダラダラと準備して宿を11時に出発。まったく、とんだ災難であった。

↓けっ、あばよ! (別に宿が悪いわけではないんだけども……)
s-IMGP5026

 
出発してから「北ルートの方が標高は高いけど、高速道路だからあまりキツイ傾斜は無いのでは?」と思いついたけど、もう遅い。こういう時、優柔不断でいつまでもグダグダと考えてしまう性格は厄介だ。

天気は曇り。この時間なので気温は上がっているが、日差しが弱いのであまり暑くは無い。出発してもいまいちテンションが上がらないまま西へ進む。昨日の不愉快な出来事を引きずったまま走っても、今あるまわりの景色を楽しまないともったいない、とはわかっているのだがなかなか思うようには行かない。

街を出ると時間はもう昼時。中国の小学生は昼になると一度帰宅するようで、自転車に乗ったり歩いたりしている子供がたくさんいる。そんな中を走っていると、「ハロー」と声をかけてくれる子がいた。おお、今までこんなこと無かったのに、いきなりどうした。
そのあとも何人か「ハロー」と言ったり、恥ずかしそうに控えめに手を振ってくれたりする子たちとすれ違う。そんな姿を見ていると嬉しくなって、こちらも笑顔で「ハロー」と返す。

でも本当にどうしたんだろう。手を振ってくれるのは低学年の子。高学年の子達は驚いて「おおっ」と声を上げたりする。今まで走ってきたところでは、見たことの無い不思議な人(俺)を目にしてそのまま凝視される、というパターンが多く、こちらから手を振ってみても無反応だった。
しかもみんな「ハロー」と声をかけてくる。同じ中国人ではなく、外国人であると認識しているのだろうか。
よくわからないけれど、まあとにかく嬉しいものは嬉しい。朝のもやもやした気持ちも吹っ飛んで元気になる。

 
昼食は牛肉麺。店の主人に声をかけられて少し話したら、ここから蘭州まで300kmはあると言われた。そうだよね、まだまだそれくらいはあるよね。

s-IMGP5027

↓どこでも安定した美味しさの牛肉麺。どさっとラー油(辣椒:ラージャオって言うのかな?)がかけられてけっこう辛く、気をつけないと麺をすすったときに辛さでむせる。ラー油をのせるか聞いてくれる店もある。
s-CIMG0429

  
そうそう、この辺にはハリネズミがいるようだ。車に轢かれてお亡くなりになった姿しか見ていないけれど、何匹か見たのでそれなりの数がいるみたい。(写真はさすがに撮っていない)

s-IMGP5028

 
午後は峠越え。なぜか今日は昨日よりも疲れない。たまにこういう調子になるときがある。当然それなりに辛いんだけど、心拍数は適度に上がって呼吸に余裕があり、脚もスムーズに回る。ゆっくりとだけど確実に進んでいて、このまま1000mだって登れそうな気持ちになる。こういうモードに入ると景色を楽しむ余裕もある。

ふもとからの高低差は250m程でピークは1750m(GPSのデータによる)。実に見晴らしが良い。日本では見慣れない黄土の大地。まさか自分が本当にこんな景色の中を走ることになるとは。そう思うと感慨深い。

s-IMGP5047

s-IMGP5050

 
九十九折の道を登りきってからは尾根道に。写真を撮りながら走る。山の上まで農地。生まれてはじめて見る景色に感動しながらも、ところどころにある切り株に気付く。こんなところにも人が住んでいて、多分その人たちがマキにするために切ったんだと思う。そうか、まだ森林限界を超えてないから、考えてみれば昔はここは全部森だったかもしれないのだ。あの山の形だって、あんなに段々ではなかったはずだ。そう考えると複雑な気持ちになる。人間の驚くべき努力と力に圧倒されつつも、切り拓かれてしまったかもしれない森を想う。日本とは環境が違うから一概には言えないけれど、たとえば「里山」みたいな概念は中国にもあるのだろうか。素人目には、山を丸裸にしたのと状況は近いように見える。作物は取れるが、環境破壊や土砂災害の危険を考えずにはいられない。

s-IMGP5059

s-IMGP5062

s-IMGP5063

s-IMGP5065

 
しばらく尾根道を走った後は一気に1200m台まで下って甘谷という街へ。活気があって程々の大きさの街で、昨日の天水よりは小さい街だから宿もあまり高くないだろうと思っていたら、1、2軒目は100元。高い……。2軒目で値切ると90元になったが、それでも高いので迷っていると隣の宿を指差された。そこなら安い部屋がある、と。お礼を言って隣へ移動。ここでどうにか60元の部屋があった。ネット可だけどトイレ・シャワー共同。この条件だと60元は高い気がしたけど、居心地は悪く無さそうだったのでここに決めた。

因みに今日は最初から賓館を探した。もっと小さい街ならともかく、下手に「招待所」や「旅社」等の安い宿に泊まるとまた昨日みたいな事態になるかも。今回は休息日も考えているので、それならはなから無難に賓館に泊まることにした。

↓夕食は西红柿鸡蛋面片(トマトと卵のスープの麺)。これは美味しかった。何ガラのスープかわからないけど、良い味。
s-CIMG0432

 
さて、明日はどうするかな。連泊するならトイレ・シャワーつきの方が快適なんだよな。洗濯もできるし。
でもこの宿も悪くないから、明日の朝聞いてみて連泊できるならそのままお休み、駄目なら先へ進むか。
 

【走行データ】
走行距離:73km
総走行距離:2977km

カテゴリー: 中国(China) パーマリンク

6/30 天水→甘谷 (73km) への0件のフィードバック

  1. ノベルティ屋 のコメント:

    嫌なことあると、頭ではわかってても中々切り替えるの難しいですよね。
    でもきっかけとなる出来事があってよかったですね。
    色んな経験していい旅してますなー
    うらやましい限りです♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です