7/4 定西→蘭州 (112km)

この宿は意外と落ち着けてよかった。洗面所は狭い中に洗面台と便器とシャワーが設置してあるから使い勝手は悪いけど、でも家庭的な雰囲気が出ててなんだか懐かしかった。
部屋が便所臭いのも鼻が慣れてしまったらしい。

朝はネットのつながりが良いので少しだけ作業してから9時半に出発。

　
今日は蘭州まで走る。地図を見ると何箇所か登りがありそうなルートだ。
ここは標高1900mの高原都市。走り出すと、日差しは強いがやはり少し涼しい。
中国はどの街に行っても高層マンションを建築してる。入居の予定が決まってるのかは甚だ疑問だけれど。

　
走り出してしばらくすると道が悪くなる。ところどころ未舗装（と言うか舗装が痛みすぎてもはや舗装路とはいえない状態）の道があり、舗装されていても波打っていたり穴があいていたり。おかしいな、高速道路以外にはこの道しかなくて主要な道のはずなのに、なんだこの荒れ具合は。国中で街を闇雲に拡張するより、まずインフラの維持・整備が先なんじゃないかと思えてくる。

　
11時ごろに峠の手前に着き、少し休憩。農作業帰りのおじいさんが通りかかってこちらをジッと見ていたので、試しに「ニィハオ」と声をかけると笑顔で会釈を返してくれた。お、なんだか反応が良い。
今まではこちらに気づいても「なんだあいつは」という感じで怪訝な表情をされることが多かったから、どうも挨拶をかけづらかった。でももっと積極的に声をかけてみても良いかもしれない。

少し嬉しい気分で坂を登り始める。この道はバイクでツーリングしてる人が多くて、すれ違うと手を上げて挨拶してくれる。途中で追い抜かれたカップルの二人乗りのバイクも止まって声をかけてくれた。でも筆談をするような状況でもなかったので会話はほとんどできず、バイバイと別れる。

　
峠を越えて下り坂になっても道は悪い。前方の路面に目を凝らしながら下る。下りきったところにあった街で昼食。牛肉麺(6元)。
蘭州といったら牛肉麺だから、街に着いたらまた食べなくては。

　
食後にアイスを食べてからまた走り始めると、さっきのカップルのバイクに追い抜かれた。どこかでのんびり休憩でもしてる間にこちらが追い抜いていたのだろう。笑いながら手を振る。

午後になって強烈な日差し。しかもそれなりのアップダウンを繰り返す。
遠くに見える山が今までとは様子が違う。森に覆われていて、山の形も植生も違うようだ。この距離で気候が変わるとは思えないから、なぜこのような違いがあるのか不思議だ。

　

　

蘭州の郊外に入ってきてやっと舗装がまともになる。最後に緩やかな丘を越えてから、街の手前で一気に下る。蘭州の町は標高1500mほどのはず。
そして今日も事故を見た。大型トラックと乗用車。昨日は自転車とタクシーの事故も起きていた。やっぱり交通事故多い気がする。

↓中国の町には良くある標識。みんなクラクション鳴らしすぎ。

　
蘭州の町はイスラム色が強いとどこかで読んで期待していたが、ぱっと見た感じは普通の大都市。実は明日も休養日にして街を歩いてみようと思っていたが、それほど魅力的には見えない。車も人も多くて走りづらい。連泊してもあまり居心地がよくなさそうと思いながらも、ウイグル自治区の地図を入手して今後のルートの確認もしなくてはならない。

事前に調べておいた安宿を探すが見当たらない。仕方ないので近くの賓館に入ってみると、トイレ・シャワー共同、ネット可で50元の部屋がある。お、大都市でこの値段ならそんなに悪くないんじゃないか。一応他の宿も覗いてみるが、最初の所が安くて居心地も良さそうだったのでそこに決めた。

4階建てで建物の中央が吹き抜けになっている。1、2階は住居になっていて、雰囲気は悪くない。管理人も親切だった。部屋には外につながる窓が無くて少し暑苦しいけど、我慢できないほどではない。

　
荷物を置いて夕食に。中国を一人で旅してると麺ばかりの食事になってしまいがちなので、米も食いたい！　と言うことで俺の好きな盖浇饭（丼メシ）がある店を探して入る。麻婆豆腐があったのでいつぞやのリベンジと思い注文。そして、ここには冷えたビールがあった！　いや、店には無かったのだが隣の商店にあるというので買ってきた。感動ものである。

肝心の麻婆豆腐は、以前のに比べれば実に常識的な辛さで、味もまあ普通。具は豆腐とニラのみで、この前もそうだったけれど塩気は意外に薄い。美味しいことは美味しいんだけれど、冷えたビールに出会えた感動にはかなわなかった。でもこの店は他にもメニューが豊富だったので明日も来よう。

帰りに水を買うために寄った商店でもビールが売っていたので購入。幸せ。

　
さて、この辺はそれほど見て回るものも無さそうだから、明日は引きこもろうかな。
　

【今日のビール】

「五泉ビール」
「甘」という表記があるから甘粛省の地ビールという位置づけなんだろうか。これも製造は青島ビールとなっているが、アルコール度数が4%と他の中国ビールよりは高めなので中身は一応別のものなのだろう。生産地も蘭州となっている。ひょっとしたら各地のビール会社を青島ビールが買収したとか、そういうことなのかもしれない。
ま、どちらにしろ味は似たようなものなんですが。

　
【走行データ】
走行距離：；112km
総走行距離：3274km