7/10 張掖の南東114kmの地点→張掖(Zhangye) (139km)

若干の斜面で寝袋が滑るので夜中に何度か起きたが、おおむね快眠。6時起床。外は良い天気。

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綺麗な景色で朝からテンションが上がる。

 
しかし寒い。ここは標高2400m。今までここまでの標高でキャンプしたことは無かった。テント内の気温は11℃くらい。外は多分8℃くらい。薄着で寝袋に入っている分には問題なかったけれど、寝袋から出ると寒い。フリースを着込む。
うーむ、今の寝袋だと冬には不十分かもな。一応、着込めば-1~-2℃程度なら大丈夫だった実績はあるけれど、今後もっと冷える可能性は全然あるものな。

朝になって風向きが変わっている。気づけばいつの間にか風車の向きも反対を向いている。今日は向かい風か。
朝食はクッキーと暖かいコーヒー。写真を撮ったりテントを乾かしたりして9:30に出発。

↓このへんの植物。他にトカゲ、蜘蛛、蚊、小石に擬態するコオロギなんかが。
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スタートから登り。でももう少しでピークのはず、と思っていたら案外登った。1時間ほど走って頂上へ。今日も相変わらず「え、これ国道ですよね?」って道。高速道路が走っているから、もうその脇を走る道なんて維持・補修する気はないのだろう。

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↓しばらく前から見えているあの土壁は、ひょっとして万里の長城?
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下りに入ってしばらくすると、ホンダのセダンに乗った中国人の家族に追い抜かれて無断でバシャバシャ写真を撮られる。後から声をかけられるが、順番が逆なんじゃないのと思う。

しかしまあこの辺は難しいところ。自分は人の写真を撮るときは(あまり撮らないけれど……)基本的に了承を得てから撮るが、生活の雰囲気を切り取りたかったりスナップ的なものを撮るならばわざわざ了承を得ていては難しいだろうし、場合によっては図々しいくらいに躊躇無く近づいていかないと良いものは撮れないのかなと素人ながらに考えたりはする。

でも今回の状況はそれとは少し違う。明らかに最初からお互いの存在を認識していたし、それでもなお向こうは車で待ち構えて撮ったり、並走して撮ったり。その図々しさ俺にも少し分けてくれよ。

例えば、ニコッと笑って「ニーハオ!」と一言挨拶してから撮れば、こちらの心証も表情も全然変わったと思うんだけどな。

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昼頃に小さな町に着いたので昼食。炒拉面。肉、インゲン、トマト、白菜、ピーマン、セロリ。野菜がいっぱいで嬉しい。味付けは塩コショウだけ? と思うくらい素朴な味。こういうのも好きです。

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外は暑いが、家の中に入ると涼しい
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それにしても乾燥している。峠をひとつ越えただけでこんなに変わるのかと思うくらい。

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そしてなぜかコオロギ大量発生区間が。あまり気持ちの良い話ではないので詳しくは書かないけれど、なかなか壮絶でした。なんだったんだろうか。

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途中にあった畑。ひまわり?
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しばらく走ると例の土壁にぶつかった。そして道が無くなる。え、これ国道ですよね? 高速道路は土壁を貫いてそのまま進んでいるが、スマホの地図を拡大してみると312国道はここで途切れて、10km程先からまた復活している。どゆこと?
地図上には少し手前の交差点から細い道が伸びていてそれで迂回できそうだが、そこには何の標識も無かった。さすがです。

しかしまあ、とりあえず土壁を見て回る。やはりこれは長城でしょう。
すごい。少し感動。いわゆる「万里の長城」といわれて想像する石造りのものではなく、土で作られている。触ってみるとボロボロと崩れる。造られてどれくらいの年月が経つのか。今では風雨に晒され朽ちてしまっているけれど、かつて草原の中に果てしなく続いた長城の姿はどんなだっただろう。

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↓タッチ(案外ミーハーなんです)
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写真も撮って一通り満足したところで道を引き返す。走り出そうとしたところでタクシーの運転手に声をかけられた。何を言っているかはわからないけれど、多分自分と同じように312国道を辿っていたら迷い込んだのだろう。この先に312国道は無いよとジェスチャーで伝え、スマホの地図で迂回路を指差す。余所者の自分がタクシー運転手に道案内をするという妙な事態に。
他にも迷い込んだ車を見た。ほら、やっぱり判りづらいんだ。道路利用者の利便性なんて考えちゃいない。

迂回路を進むが、途中から悪路になる。
ゴロゴロとした拳くらいの大きさの石が敷き詰められていて非常に走りにくい。よくわからないけれど、その石の下から時々舗装路が顔を出す。なぜか舗装した上に石を敷いているのだ。全く理解に苦しむ。中国の道には時々本気で腹が立つことがある。

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そんな悪路を30分ほど進んでから舗装路に戻り、さらにその先は工事中の道。ただこちらは未舗装ながらもしっかり平坦に押し固められていて走りやすい。この上にアスファルトを敷くのかな。さっきの悪路も、ここの前段階なのかもしれない。それならそれで放置しないでさっさと工事して欲しいが。

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まあ地図にも細~く載っている程度の道だし、それも仕方ないかと思っていると、

あれ?

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しれっと「312国道」と書いてある。もう溜息しか出ない。
 

雲行きが怪しくなってくる。遠くの山が白く霞んでいるのは雨が降っているということだろうか。

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さっきまでカラカラの大地だったのに、このあたりは穀倉地帯だ。

 
16時前に312国道に戻り(いや実はずっと312を走ってたのかもしれないが)、山丹のいう街に到着。まずい、道のせいで進みが悪い。今日の目的地の張掖まではまだここから60km以上はあるはず。しかも休憩してると雨が降り始めた。
ここで止まるわけにもいかないので休憩もそこそこに合羽を着て出発。幸い雨はすぐ止んだけれど、緩やかな登りと向かい風が辛い。

いやいや、こんな風、浜松に比べればなんてこと無い。

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あまりゆっくり走ってると街に着くのが20時を過ぎてしまうので、力を振り絞って走る。
途中にはたいした商店は無く、チョコレートでも買って体力回復しようと思ったけどそれも叶わず。飴を舐めたりクッキーを食べたりして乗り切る。

20時前になんとか張掖に到着。まだ明るいので急いで宿を探してしまおう。街の入り口には宿が多くあったが、通りに面して煩そうだし、近くには人民解放軍の基地があってイマイチ雰囲気が気に入らない。明日は休みにしようと思っているからできれば居心地の良い宿を見つけておきたい。

結局、街の中心地でも程好い宿は見つからず、少しにしに外れたところで80元の部屋を見つける。トイレ・シャワー付き、Wifiありなので悪くは無いが、他にも近くに宿があったので一旦出ようとすると70元にまけてくれた。じゃあここにしよう。自転車も部屋まで持ち込めて安心。

もう今日はクタクタに疲れてしまった。でも店が閉まる前に食事をしなければ。宿の近くの店に適当に入って頼んだのは麻辣麺(5元)。それと、冷蔵庫の中に入った串に刺さった具(1~2元)を好きに選んで、それを茹でてもらう。写真のこれと冷たいビール一本で16元。おお、これは良い!こういうタイプの店に入ったことは無かったけど、入ってみたいと思っていた。ボリュームもそこそこあるし、バリエーションが豊富で良いね。

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麻辣系は辛くて汗だくになるけれど、だんだんとこの辛さが病みつきになっていく。とくに山椒だか花椒だかの独特の辛さがたまらない。また明日も来ようかな。

帰ってシャワーを浴びて洗濯をして、あとコマゴマとしたことをしていたら1時間ほど寝てしまっていた。イカンイカンと思い、日記も書かずに歯を磨いて就寝。
 

【走行データ】
走行距離:139km
総走行距離:3822km

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  1. ぽむぽんた のコメント:

    長城も長いだけあって、簡素な造りの部分もあるんですね。
    しかし、ただの土壁で進攻を防げたのでしょうか?

    • shima のコメント:

      多分、造られた年代が関係してるのでしょうね。
      あと、石を切り出す技術や、そもそも適度な石がこの辺にはなかったのかもしれません。

      侵攻されることもあったとどこかで読んだ記憶が。
      実際、ずっと監視を立てるわけにも行かないだろうから、その辺の防御力はどうだったんでしょうね。

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