今日こそ出発。天気も悪くない。しかしそんな日に限って妙に体がだるい。なんなんだいったい……。
頻繁に休憩しながら準備を終えて10時に出発。
ジェノヴァは大きな町なので抜け出すのが大変。町外れになると港町らしい工業地帯もある。
ここからしばらくは海沿いの道。概ね平坦な道が続く。町がポツポツとあり、どこもリゾートの雰囲気。
昼頃になって食事のことを考え出すが、今日も適当な店が見つからず。朝食の残りで作ったサンドイッチ(パンにハムを挟んだだけ)で済ますことにする。
この辺は部分的にサイクリングロードがある。区間は短いが、海沿いにトンネルや橋を造って通してあるので、車道のアップダウンに苦労させられることなく平坦な道を進むことが出来る。
この頃から若干の寒気と疲れが出始める。最初は調子が良かったが、そこはやはり病み上がり。あまり無理は出来ない。今日はキャンプのつもりで進んでいたが、これは大事をとって宿に泊まることも考えたほうが良いかもしれない。
夕方に辿り着いた町で買出し。一応キャンプになっても大丈夫なように食料を揃えておく。
地図で見るとこの町には安そうな宿があるようなので、そこで値段を確認してみることにする。体調はそこまで酷くは無いが、値段を聞いてみて30ユーロ以下だったら泊まってしまおうかな。もしダメなら、もう少し進んでキャンプしよう。
そう思ってそのホテルに行って見ると、空いている部屋が朝食込みで丁度30ユーロ。「30ユーロ以下」という条件をあらかじめ決めていたとはいえ、いざ上限の値段を示されると躊躇する。少し悩むが、でもやはりここは無難に泊まっておくことに。
今夜は安静にしよう、そう心に決めて、荷物を運んでからはしばらくベッドに横になる。たまにはテレビを見ようと電源を入れ、当然ながらイタリア語で進行される番組をぼんやり眺めていると、いつの間にか眠っていた。
18時頃に目を覚まして着替えてから町に出る。この街はリゾートなのかな。特に史跡があるわけではなさそうで、そのかわりビーチが小奇麗に整備されている。
安くて入りやすそうな店があればそこで夕食でも良いかなと思ったが、見つからなかったので自炊することにする。スーパーでインスタントリゾットと果物を買ってホテルへ戻る。
部屋ではネットが繋がらないようなのでロビーでスマホをいじっていたら男性に話しかけられた。この人がなんと、日本人の自転車旅行者だった。
その人はがっさん(あだ名)。仕事の休みを利用してフランスのニースからイタリアのミラノまで走るそうだ。長期旅行者というわけではなく、こういう短期での自転車旅をよくするらしい。
まさかこんな特に有名でもない町のホテルで日本人サイクリストとの出会いがあるなんて思わなかったからとても嬉しい。
思えば中国でケイさん・ユキさんと出会ったのもこんな感じだった……。日和って宿に泊まることにして良かった。
自炊のつもりだったが、折角なのでこれから食事に出るというがっさんにご一緒させてもらうことにした。二人で町を歩いてレストランの店先に出されているメニューで値段を確認しつつ店を選び、あまり高くなさそうなところを見つけて入る。やっぱりヨーロッパのレストランに入るときは2人だと心強いなぁ。
僕はサラダとスパゲッティを注文。そしてビール!
イタリアのビールはどれもドライでそれほど味わい深いわけでは無いが、それでもドラフトだと結構美味しい。銘柄は確認し忘れましたが……。
スパゲッティはぺペロンチーノ。オリーブオイルとニンニクと鷹の爪、このシンプルなスパゲッティを本場で食べて見たいと思っていたのだ。
しかし味はいたって普通。というかそもそも鷹の爪は使われてなかった。
後半で頼んだハウスワインのロゼも美味しくいただき、久しぶりのマトモな食事を終える。
やはり久しぶりの人と一緒の食事は楽しい。僕は一人でいても特に寂しさを感じることなく楽しめるぼっち能力(一人ぼっちに対する耐性)の高い人間だが、それでもこうしてサイクリスト仲間と話をしながら夕食の時を過ごすというのは良いものだと感じる。
宿に戻ってからはロビーで会話しつつ、経営する家族に飼われている犬と戯れてから就寝。
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